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あの湘南美容グループ「がん免疫療法」の真相

2/12(水) 11:45配信

東洋経済オンライン

 日本の医療には、治外法権というべき闇がある。それは自由診療による「がん免疫療法」だ。EBM(根拠に基づく医療)が現代の常識だが、全国300以上の民間クリニックなどで実施されている「免疫療法」に、臨床試験で有効性が証明されたものはない。それなのに多額の費用を請求する。

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 自由診療の「免疫療法」にはさまざまな種類があるが、大半が患者の血液からリンパ球を分離、培養した免疫細胞を再び患者に戻して治療する。一方、ノーベル賞を受けた本庶佑氏(京大特別教授)による、免疫チェックポイント阻害剤・オプジーボは作用機序(メカニズム)がまったく異なる。がん細胞は免疫細胞の働きを制限する作用で自らを守っているが、オプジーボはその制限を解除して、がんを治療する。

■「エビデンスなし」

 都内のあるクリニックで行われている免疫療法は、1クール(治療期間の単位)の治療に約450万円。これに、がんのステージを掛けると医師は説明する。ステージ4の患者なら1800万円になる計算だ。ただし計算式に明確な根拠はないし、効く保証もない。

 がん専門病院・米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの上野直人教授は、こう指摘する。

 「有効性が明確ではない治療は、臨床試験として、患者の費用負担なし(注:費用負担がないのは臨床試験で行う治療の範囲のみ)で行うのが世界の常識。米国でエビデンス(科学的根拠)のない自由診療の免疫療法と同じようなことをしたら、すぐに訴えられてしまうだろう」

 ではなぜ日本ではEBMに程遠い免疫療法が横行しているのか? 

 保険診療には厚生労働省などの厳しいチェックの目が入るが、自由診療は医師の裁量権が盾になり、ほとんど責任を問われないからだ。

■湘南メディカルでは治療の奏効率73%と喧伝

 「うちの治療を受けていただければ、8割の人に必ず何かいい効果があります。73%のがんを縮小させた。副作用も少ない。1クールやって、1カ月後にがんが消える人が多いですね」

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最終更新:2/12(水) 11:45
東洋経済オンライン

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