ここから本文です

悩んだら立ち戻る…競泳・平井コーチが受け継ぐ「小柳方式」とは?〈週刊朝日〉

2/15(土) 11:30配信

AERA dot.

 指導した北島康介選手、萩野公介選手が、計五つの五輪金メダルを獲得している平井伯昌・競泳日本代表ヘッドコーチ。連載「金メダルへのコーチング」で選手を好成績へ導く、練習の裏側を明かす。第7回は「小柳方式」について。

【写真】ミュンヘン五輪の競泳ヘッドコーチに就任した48歳の小柳清志さん

*  *  *
 東京五輪代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権(4月1~8日)まで2カ月を切って、1回1回の練習が重要度を増していきます。夏の五輪本番を見据えてレベルアップしていくために、練習メニューをどう組み立てるか。しっかりと選手の泳ぎを見て頭をフル回転させる日々が続きます。

 早大を卒業して1986年に就職した東京スイミングセンター(SC)では、「小柳方式」と呼ばれる指導方法が受け継がれていました。30年以上コーチを続けて練習方法は進化していますが、小柳方式の「練習で大切なことは、忍耐力と克己心」といった考え方は指導のベースとして変わらず大切にしています。

 東京SCは昨年のNHK大河ドラマ「いだてん」の主人公の一人、田畑政治さんが中心となって68年に創設。日本水泳連盟会長などを歴任した田畑さんがコーチとして招いたのが、早大水泳部監督として山中毅選手ら多くの名選手を育てた小柳清志さんでした。

 インターバル練習を初めて日本の競泳に取り入れたと言われる小柳さんは、練習のデータを徹底的に集めて指導に生かし、長期計画で選手の才能を引き出しました。72年ミュンヘン、76年モントリオール両五輪の競泳ヘッドコーチを務めた後、78年に急逝されました。

 私はお会いしたことはないのですが、東京SCで小柳さんからコーチングの教えを受けた青木剛・日本水泳連盟会長ら先輩から話を聞き、受け継がれている資料を読んで小柳方式を指導に生かしてきました。

 小柳さんは、勘と経験が頼りだった水泳指導に統計的な手法を取り入れた先駆者です。練習タイムの平均値や推移を検証して、試合でこの記録を出すには練習でこのタイムで泳ぐ必要があるとか、練習でこのくらいで泳いだら試合で何秒出るといった記録のめやすを作っていました。クリアすべき目標が定まるので、練習の効果が上がります。

1/2ページ

最終更新:2/15(土) 11:30
AERA dot.

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事