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【試乗】マクラーレンGTは高度な快適性と爆発力を合わせ持つ、異次元のスーパーカーだった

2/13(木) 19:02配信

Webモーターマガジン

アストンマーティンをライバル視

公道ではほんの一瞬。「本気モード」を体感すれば紛れもなく「スーパーカー」だと実感する。けれど、たとえば寛いだ気分で走行車線をトコトコと走り続けたとしても飽きない。不思議だ。(Motor Magazine 2020年3月号より)

【写真】スタイリングの五面図とコクピットなどを見る(全15枚)

マクラーレンオートモーティブはミッドシップスーパースポーツカー作りをもっとも得意とするラグジュアリーブランドである。それは2010年に現体制になってから以降も、いや、さらに遡れば1992年に発表されたあのマクラーレンF1からして、ミッドシップスーパースポーツカーのコンセプトが連綿と受け継がれてきたことは明らかである。

そのパフォーマンスが傑出していることは、これまでデビューしたロードカーの最高速度がすべて320km/hを上回っていることからもわかる。さらに言えば軽量高剛性なカーボンモノコックを全モデルに採用している恩恵もあって、ハンドリングは極めて鋭敏。このためワインディングロードであろうとサーキットであろうと至福のコーナリングを満喫できる。

一方で、そうしたスーパースポーツカーならではの特質を、優れた快適性や日常性とともに実現したところがマクラーレンロードカーを象徴するもうひとつの側面でもある。これはマクラーレンF1でテクニカルディレクターを務めたゴードン・マーレイの哲学でもあったわけだが、結果としてマクラーレンは、長距離ドライブも楽々とこなすグランドツーリング性を秘めていたといえる。

その事実を端的に示しているのが2016年にデビューした570GTだった。スポーツシリーズの第一作目としてこの前年にデビューした570Sをベースに作られた570GTは、シャシの設定を一部変更して快適性をさらに引き上げるとともに、直進性重視のハンドリングを実現。そしてテールゲートを設けてキャビン後方にもラゲッジスペースを確保すると同時に、ファストバックを生かしたエレガントなスタイリングをまとってデビューした。

570GTの国際試乗会では、マクラーレンのマーケティング担当者がこんなことを語っていたのを思い出す。「ロンドンのマクラーレンディーラーを訪れる妙齢のご夫婦の中には、ご主人がマクラーレンに関心を示されても奥様が『我が家で買うにはデザインがややアグレッシブなような気がするので、やはりアストンマーティンにしましょう』とおっしゃるケースがあります。そうしたお客様にもご満足いただけるように、この570GTを開発しました」。グランドツアラーのマーケットに参入しようとする思いは、この当時からマクラーレン社内に芽生えていたことがうかがえるエピソードだ。

そうしたマクラーレンの意図が明確な形で現れたのは2019年のことである。この年のジュネーブショーで最上級クラスのアルティメイトシリーズに「ハイパーGT」のスピードテールを発表すると、直後にマクラーレンGTを投入。これまでは570GTだけだったグランドツアラーを、一気に3モデルへと増強したのである。

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最終更新:2/13(木) 19:02
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