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「ねんきん定期便」スルーが引き起こす、老後資金不足の大問題

2/13(木) 8:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

2019年後半は「年金2000万円問題」が話題をさらいましたが、2000万円の捻出に悩むより先にやっておくべきことがあります。それは自分の年金額の確認です。公的年金がいくらもらえるのか、目安を確認してからでないと、老後資金の問題に着手できないからです。本記事では、一般社団法人日本つみたて投資協会代表理事の太田創氏が、資産形成のヒントを紹介します。

年金額が不明では、老後資金の不足額が算出できない

皆さんは自分のところに届く「ねんきん定期便」を確認していますか? 年金2000万円問題が話題をさらってからしばらくたちますが、そもそも老後資金の状況というものは個々人で大きく異なるため、不足金額について一律に語ることはできません。

本来ならば「年金2000万円問題」の前に、自身がどのくらいの年金をもらえるか知ったうえで対処すべきなのですが、意外とこの点が見落とされているのです。

究極のつみたて投資は公的年金です。というのも、20歳以上で国民年金に加入しなければなりませんし、その後就職して会社員になると厚生年金にも加入します。年金の受給開始年齢は65歳ですから、最低でも30年以上年金保険料を支払い続けるわけです。

加えて、多くの人は年金がどのように運用されているかについても無関心です。金融機関で資産運用に携わっている人々でさえ、その中身をじっくり見たことがない方のほうが多いのではないでしょうか。

もっとも、年金と言ってもいまや国民年金、厚生年金、国民年金基金、確定給付年金(企業DB)、確定拠出年金(企業DC)、iDeCo(個人型確定拠出年金)と多種にわたりますし、年金保険料は給与天引きで支払われます。意識せずに年金保険料を支払うわけですから、その結果についてまで関心を持つのは難しいかもしれません。かつては筆者もそうでした。

年金は「引退後のキャッシュフロー」の最大の担い手

ご自身の資産形成を行っていく読者にとって、年金は引退後のキャッシュフローの最大の担い手です。現役の時から将来のキャッシュフローがわかっていないと、金融機関やアドバイザーが推奨する運用方法で過度のリスクを取ったり、不必要な金融商品を購入させられたりするリスクも生じます。文字通り、年金運用は20年、30年と長丁場かつ受給も同期間ですから、受給金額の多寡に関わらず、年金の中身や仕組みを知っておくことは、不必要な資産運用を避けるという意味でも重要です。

一方、お客様に資産形成をアドバイスする立場の人も、年金制度や、顧客の将来のキャッシュフローを知っておくべきです。

プロとしてお客様の資産形成全体を俯瞰していれば「預金に滞留している資金はもったいないので、投資商品に振り替えましょう」というアドバイスが出ることはありません。預貯金を潤沢に保有されているご高齢者は年金受給者ですから、本来、それ以上運用する必要はないわけです。

むしろ、年金に加えた老後資金を必要としているのは、年金保険料を支払っている20代から50代です。したがって、資産形成が必要なお客様がどの年金に加入してどのくらいの年金が支払われるのか把握し、適切なメニューを提示しない限り、本来長期の資産設計はできないはずなのです。

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最終更新:2/13(木) 8:00
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