ここから本文です

新型肺炎で出社の「拒否・時間変更」はできるか

2/13(木) 5:40配信

東洋経済オンライン

 中国・武漢で発生した、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るっており、日本においてもその影響は予断を許しません。

 一部の企業では、新型コロナウイルスから社員の安全を守るための措置を取り始めています。

 GMOインターネット、オトバンクといった企業では、全社的に在宅勤務を原則とする方針を打ち出しました。パソナやユーグレナも、在宅勤務および時差出勤を推奨する方針を発表しました。野村ホールディングスや楽天など、グローバルの事業を展開する大企業では、中国からの帰国者に、在宅勤務や自宅待機などを命じ、社内感染の防止に取り組んでいます。

 しかし、すべての企業が、在宅勤務や時差出勤を認めているわけではありません。不安を抱えながら毎日満員電車で通勤している方もいるでしょう。

 そこで、本稿では、新型コロナウイルスの拡大に関して、発生することが想定される出退勤時間の変更や万が一感染してしまった場合の休業補償などの想定しうる労務問題を列挙し、それに対する法的見解を整理してみたいと思います。

■出社したくない! 

■出社を拒否することはできるのか? 

 まず、最も極端な例になりますが、混雑した電車での通勤やオフィスの人の多さなどを懸念して一定期間出社をしたくない場合について考えてみたいと思います。

 現時点においては、日本国内で公的機関から自宅待機指示が出ているというような段階ではありませんので、雇用契約上の義務として、社員は出社をする必要があります。

 合法的に出社を回避するための方法としては、有給休暇の利用が考えられます。ただし、使用者には時季変更権が認められますので、社内で多数の有給休暇申請者が出て、業務が正常に回らないという場合には、輪番で有給休暇を取得するなど、出社回数自体は減らせても、完全に出社を回避するということはできないかもしれません。

 また、有給休暇の日数には限りがありますので、新型コロナウイルスの流行が長期間にわたって続いた場合、有給休暇を使い果たしてしまうということも考えられます。

 有給休暇を使い果たした後も出社拒否をした場合には、欠勤扱いになります。

 欠勤は、雇用契約上の労働提供義務に違反していることになりますが、労働基準法第5条で、「使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない」とされているため、使用者は出社拒否をしている労働者を強制的に出社させることはできません。ですから、物理的な意味においての出社拒否は認められるということになります。

1/4ページ

最終更新:2/13(木) 5:40
東洋経済オンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ