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参入困難・巨額投資は本当?プラットフォームビジネスに3つの誤解

2/14(金) 13:27配信

日経BizGate

日本独自モデル構築で巻き返し可能

 「GAFA」のグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4社が2019年10~12月期決算で、そろって過去最高の売り上げを更新した。4社合計の時価総額は約3.9兆ドル(約430兆円)と、東証1部上場企業の日本株の約7割にあたる。共通するのはユーザーに対し直接販売だけではなく、「ビジネスの基本となるサービス・システムを供給側に提供する」プラットフォーマーである点だ。この分野で出遅れた日本企業は、国際ビジネスの局面での存在感が乏しくなっている。しかし野村総合研究所のグローバル製造業コンサルティング部で、デジタル化戦略などを研究・立案する小宮昌人コンサルタントは、日本独自のモデルを構築することで巻き返しが可能と説く。

「QCD」へのこだわりが立ち遅れの原因か

 GAFAのほかにも、米ウーバーやエアビーアンドビー、中国のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)など、国際的なメガ企業はプラットフォーマーが大半を占める。一方で日本企業には諦めムードも漂う。しかし小宮氏は「プラットフォームビジネスへの誤解が多い。ものづくりで培ってきた経営資源を有効に活用できる」と話す。

プラットフォームビジネスへの3つの誤解
(1)古くからの製造業では、IT企業ではないので参入が難しい
(2)GAFAがすべての領域を押さえており、入り込む余地はない
(3)この分野に「兆円単位」で研究開発、投資を続けているメガ企業には太刀打ちできない

 日本の立ち遅れの原因を、小宮氏は「いかに品質の高いものを、安く・速く提供できるかという、従来の競争原理から脱却できなかったためだ」と分析する。クオリティー・コスト・デリバリーの「QCD」こそは、日本の製造業の原点だった。しかしデジタル化の飛躍的な進展で、付加価値を生む領域が「生産・組み立て工程」から設計やソリューションサービスなど川上・川下分野に移行しているという。

「GAFAが押さえている領域はまだ5割」

 今日では顧客との接点はプラットフォーマーが握っている。顧客にとって価値ある製品をプラットフォーム上で、エコシステムを構成する各企業と連携しながら提供する「バリュー・プラットフォーム・シナジーのVPSが企業の競争力を決める」と小宮氏は言い切る。

 古い社歴を持つ非IT企業がプラットフォームビジネスに進出したケースが、コマツの建設業プラットフォーム「LANDLOG」だ。自社建機に搭載したセンサーを通じて集めるデータに限らず、調査、測量、設計、施工、メンテナンスなどの情報を提供する。キャタピラーや日立建機などの競合企業も含めたデータの接続・活用も図っている。それを土台に、建設業界の課題を解決するためのアプリケーションを提供する仕組みだ。

 「LANDLOGの特徴はIT企業との合弁会社の形態を取るオープンイノベーションであること」と小宮氏。NTTドコモが無線通信を、独SAPがデザインシンキングの方法などを持ち寄って構成している。コマツは建設業界におけるさまざまなノウハウや強みを基盤に、米巨大ITのすき間を突く形で業界のプラットフォームを構築している。

 小宮氏は「GAFAが押さえている領域はグローバル市場全体の5割程度だろう」と分析する。コマツのようにニッチなプラットフォームを展開する余地はまだまだ多いとみる。

 クックパッドの「OiCy」も、そのひとつ。パナソニック、日立などの家電メーカーやリクシルなどのキッチンメーカーと連携し、世界の約80国・地域からクックパッドへ投稿し蓄積したデータを駆使して、次世代キッチンの国際標準づくりを目指す。これまで技術力で勝っているものの、国際標準を奪われた日本企業のケースを反面教師としているわけだ。「OiCy」は自動調味料サーバーの設計情報を公開している。「コア技術をオープンにすることで次世代キッチン研究の仲間作りを進めている」(小宮氏)。

 プラットフォーマーになることだけが、企業の成長を維持する唯一の方策ではないという。「巨大プラットフォーマーと競うのではなく、販売ルートなどとして活用する連携戦略も有効だ」と小宮氏は説く。資生堂は中国のアリババグループにEC(電子取引)出店する一方、新製品の共同開発にも乗り出した。狙いはアリババがアジア地域に持つ顧客層の膨大なデータだ。小宮氏は「グローバル展開では各国の消費者ニーズが異なるため、プラットフォームの購買データを使った多面的な分析が欠かせない」と指摘する。

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最終更新:2/17(月) 10:50
日経BizGate

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