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全篇ワンショットで描く若き兵士の1日──映画『1917 命をかけた伝令』のみどころは?

2/14(金) 20:11配信

GQ JAPAN

サム・メンデス監督の新作映画『1917 命をかけた伝令』が2月14日に公開される。第92回アカデミー賞で撮影賞、視覚効果賞、録音賞を受賞した注目の作品だ。

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(疑似)ワンショット映画

この映画が全篇疑似ワンショットで撮られていることは、あまり強調すべきではないかもしれない(疑似という言い方をしているのは、オープニングからラストシーンまでほんとうに一度もキャメラを止めずに撮られているわけではなく、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(2014)がそうだったように、ほんとうはつなぎ目があるところを、デジタル処理によって連続しているように見せかけている箇所があるからである)。というのは、この映画を紹介しようとする人間は、全員判で押したように「(疑似)ワンショット映画」だと言うだろうから--実際わたしも、たったいまそう言ったわけだから--これから観る者はまずテクニックに目が行ってしまうだろうし、観ていない者はといえば、テクニック偏重の映画に違いないと思いこんでしまうかもしれないからだ。しかし実際はこの映画は、テクニックにだけ走っているわけではなく、極限状態に置かれた人間が感じる恐怖、人間の弱さと強さ、共感能力の豊かさ、そして尊厳までをも力強く描いている。

だが、にもかかわらずやはり、この映画が疑似ワンショット映画であることは強調されねばならないだろう。なぜなら、先に述べた力強い人間描写はこのテクニックと不可分であり、また、このテクニックを採用したからこそ可能になったものであるからだ。

物語は、監督サム・メンデスが、第一次世界大戦時に従軍していた祖父アルフレッドから聞いた「断片でしかない話」を基にしているという。メンデスはそこから大きく話をふくらませた。1917年4月6日、膠着状態にあるフランスの西部戦線で、まだ少年のような面影の残るふたりの英軍兵士、スコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)は、撤退するドイツ軍を追撃中の、マッケンジー大佐率いる部隊への伝令を命じられる。実はドイツ軍の撤退は、万全の布陣へと英軍部隊を誘いこみ、全滅させることを目的とした罠だというのだ。通信手段はすべて切断されているうえ、大佐の部隊へたどり着くまでには、ドイツ軍が仕掛けたトラップや、ドイツ軍占領下の町を越えていかねばならない。果たしてふたりは、マッケンジー大佐率いる1600名の命を救えるのだろうか?

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最終更新:2/14(金) 20:11
GQ JAPAN

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