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『SPY×FAMILY』アーニャがかわいすぎる! 小さな超能力者の「わくわく」する魅力

2/14(金) 18:21配信

リアルサウンド

アーニャが物語を進めていく

 集英社が運営する漫画アプリ、ジャンプ+で連載中の『SPY×FAMILY』。現在3巻までが発売されており、アプリ上で無料で読めるのにも関わらず、発行部数200万部を突破したことでも話題沸騰中の作品だ。連載が開始された2019年、数々の漫画賞で1位を獲得し、国内外で高い評価を集めている。スパイが家族を作り、任務をこなすという洋画のようなストーリーの核となる少女、アーニャ・フォージャーに着目し、作品の魅力を考えていこうと思う。

 アーニャは、東国のスパイである主人公「黄昏」が、名門イーデン校に潜入して政治家のドノバン・デズモンドと接触するというミッションを達成するため、子役として選んだ少女だ。黄昏は精神科医ロイド・フォージャーに扮し、「いばら姫」の異名で知られる殺し屋のヨル・ブライアを妻として、アーニャを娘として迎えて、それぞれに素性を隠しながら、かりそめの家族生活を営むこととなる。

 名門イーデン校に入学し、優秀な成績を収められる子どもを求めていた黄昏だが、アーニャは決して頭脳明晰なわけでも、身体能力が高いわけでもない。しかしアーニャには、他の登場人物とは違った特殊能力がある。とある組織の実験によって偶然生まれたアーニャは、テレパシーでほかの人や動物の考えを読み取るという超能力を持つ。孤児院を訪れた黄昏の思考を読み、彼の望む6歳の天才少女を演じて、見事、黄昏の養子となった。

 アーニャの行動の原動力は、「わくわく」する気持ちだ。研究所では、自身の超能力は世界の平和に役立つと言われ、遊ぶことを禁じられていた。現在でも、「世界平和のため」に奔走する場面も多々見られる。その反動もあるのだろうか、子どもらしい無邪気さというだけでは説明がつかないほどに危険を顧みず、自分が「わくわく」することを追い求めてしまう。

 その最たるものが、母親役のヨル・ブライアと黄昏を引き合わせたことにあるだろう。1話の終盤で、イーデン校の入学試験では、両親と共に面接を受けなければならないことが明かされる。黄昏は急遽、妻を見つける必要に迫られたが、この時に活躍したのもアーニャだ。黄昏とともに仕立て屋に赴いたアーニャは、偽装の恋人役を担ってくれる相手を探していたヨルの心を読んで、「ははいなくてさみしぃ~~~」とアピールをし、二人の利害が一致することを悟らせた。だが、アーニャは本当に母親の存在が恋しかったとか、入学試験を突破しなければならないと考えてこのような行動に出たわけではない。

 見栄を張り、同僚のパーティーに恋人を連れて行くと言ってしまったヨル。昼間は事務員として働く彼女の裏の顔は、殺し屋だ。自分に年齢の近い未婚の女性が、スパイの疑いをかけられたと聞いたヨルは、殺しの仕事を続けるために偽装恋人を探していた。その思いを知ったアーニャは、スパイと殺し屋がそばにいるとわくわくする、と考えて二人を引き寄せることに成功したのだ。時には「わくわく」を求めて危ない場面に出くわしてしまうアーニャは、読者を飽きさせることなく、冒険の世界へと誘う役割をも担っている。


■アーニャが本当にかわいい

 一方で、子どもらしく日常を楽しむ場面も多い。「アーニャぴーなつがすき」というアーニャは、留守を任されるときに「ぴーなつかいこんどけ」とマーケットの中で小躍りした。勉強は苦手だが、めでたくイーデン校に入学してからは、クラスメイトと時にはぶつかり合いながらも、共に協力しあって切磋琢磨しながら、日々成長している。ころころと表情の変わる様子と、そして角のようにも見える二つの髪飾りが、アーニャのトレードマークだ。さらに、個性的な口調もかわいらしい。黄昏を「ちち」、ヨルを「はは」と呼び、普段は少しぞんざいな口調ながらも、必要な場面では「だいじょうぶます」「がんばるます」と、少し不安げな丁寧語で語るアーニャ。

 黄昏の見立てによれば4歳か5歳ほどの小さな身体ながらも、自身の超能力や、家族の裏の顔が悟られぬよう、よく考えながら動いている。家族のため、人のために全力を尽くすアーニャ・フォージャー。物語の結末がどこへ向かうかはまだ分からないが、アーニャのためにもフォージャー家が本当の家族となることを期待したい。

誉田優

最終更新:2/14(金) 18:21
リアルサウンド

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