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新型コロナウイルス感染者急増…湖北省、開示基準変更の理由

2/14(金) 7:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社、マーケットレポート・ヘッドライン。日々のマーケット情報を専門家が分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報・ヘッドラインを転載したものです。

市場では今月初めから中国における新型コロナウイルスの新規感染者数の伸びが鈍化したことが注目されています。また、昨日は、増加傾向にあった中国の新規死亡者数の伸びが低下したことも注目されました。これらを背景に感染拡大に楽観的な見方もありましたが、湖北省は開示基準を変更したため、感染者などが急増しました。

新型コロナウイルス:臨床診断追加で湖北省の感染者数が急増

中国国家衛生健康委員会は2020年2月12日、確認された新型コロナウイルス感染症例が累計で4万4653件になったと発表しました(図表1参照)。11日の新規感染者は2015人増えました。一方、中国で11日に新たに亡くなられた人の数は97人で、11日までの累計死亡者数は1113人に達しました(図表2参照)。

なお、中国湖北省の衛生健康委員会は13日、新型コロナウイルス感染対象に簡易な臨床診断(CTなど画像検査)も含めたところ、12日の増加件数は1万4840件に達したと発表しました(図表1、右端の斜線棒グラフ)。

どこに注目すべきか:新型コロナウイルス、粘液検査、画像検査

市場では今月初めから中国における新型コロナウイルスの新規感染者数の伸びが鈍化したことが注目されています。また、昨日は、増加傾向にあった中国の新規死亡者数(図表2参照)の伸びが低下したことも注目されました。これらを背景に感染拡大に楽観的な見方もありましたが、湖北省は開示基準を変更したため、感染者などが急増しました。

まず、開示基準の変更を簡単に述べると、これまでは鼻などの粘液の成分分析の結果で感染を判断していました。この方法は判断に時間がかかることから、新たにCTなど画像検査で新型コロナウイルスの感染を判断することで、粘液成分の分析に比べ時間短縮が可能と報道されています。

検査のスピードアップにより対象が広がった結果、12日の感染者が急増したということであれば、いままで手が回らない感染者が多数いたとことが想像されます。

次に、図表1と3の見方ですが、2月11日までは中国国家衛生健康委員会が公表する「粘液成分分析」のデータを使用しています。しかし12日(斜線)は湖北省の衛生健康委員会が公表した画像検査によるデータです。例えば、大半の死者が発生している湖北省の死亡者数は図表3で12日は242人増えています。そのうち画像検査で新型コロナウイルスと判断され死亡した人数は135人で、107人は従来の方法で判断された死亡者となります。

湖北省当局が画像診断を導入した背景は把握できていませんが、診断を早めることで感染拡大を防ぐことを意図したと考えたいと思います。画像診断導入に対する市場の反応は想定し難いですが、注目は感染拡大の抑制であることに変わりは無いと思われます。ただ教訓としては、単に過去のパターンを当てはめたに過ぎない判断は慎むべきでしょう。

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『新型コロナウイルス感染者急増…湖北省、開示基準変更の理由』を参照)。

(2020年2月13日)

梅澤 利文

ピクテ投信投資顧問株式会社

運用・商品本部投資戦略部 ストラテジスト

梅澤 利文,ピクテ投信投資顧問株式会社

最終更新:2/14(金) 7:00
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