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伊方原発3号炉インシデントは何が起きていたのか? 公開情報から読み解く「正体」

2/14(金) 8:33配信

HARBOR BUSINESS Online

定期点検中の外部電源喪失後、何が起きるか

 2020/01/25に発生した伊方発電所における3号炉外部電源喪失インシデントですが、結果論からすれば外部電源喪失後に13秒以内に非常用ディーゼル発電機(DG)が起動し、その後外部電源も回復しましたので無事に収束しています。重要設備に限れば収束までにはだいたい1時間かかっていますが、基本的に設計の範囲内、多重防護の第3層の範囲内で収束しています。

 原子炉が運転中の場合は、一旦冷態停止に持ち込んだあと、一週間ほどかけて原子力規制委員会(NRA)へ山のような書類を提出してから操業再開することになります。

 以前、蓮池透さんにお伺いしたところ、この書類の山がたいへんでたいへんでチョーたいへんで、操業再開の律速段階は書類の山と重箱の隅をつついてくる原子力安全保安院(NISA)への対応だったとのことでした。

 今回は、伊方発電所では3号炉は2019/12/26より第15回定検入りのために運転停止中でしたのですでに十分冷えており、それどころか原子炉そのものは燃料取り出し後で、炉心構造物の中はカラッポでした。従って、原子炉自体は放射能バウンダリの維持さえできていれば、インシデントへの対応中は十分と言えます。

 一方で使用済み核燃料は、すべて使用済み核燃料ピット(SFP)へ移されています。3号炉SFPには、1号炉SFPからもすべての使用済み核燃料が移送済みで、かなりキツキツとなっています。3号炉1号炉共に福島核災害前の核燃料は、少なくとも8年間の冷却を経ていますので使用済MOX(混合酸化物)燃料を除けば空冷ができるほどに冷え切っています。しかし、2016年の操業再開後に照射された3号炉の使用済み核燃料はまだ熱く、とくに今年取り出した核燃料については常に冷却を要します。

 他には原子炉建屋内部の監視(モニタリング)の継続、記録の保全、環境の維持などがなされれば本格復旧までの数日程度は凌げます。

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最終更新:2/14(金) 13:41
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