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「目が覚めると豹変している」“予言の書”が示していた戦争の新兵器

2/15(土) 11:51配信

PHP Online 衆知(Voice)

現在テロ、サイバー攻撃など、戦争は様式を変えて領域を広げ続けている。戦争の歴史を振り返ると、常に技術革新が背景にあった。しかし、もはや技術は臨界点に達した様にみえる。これからの戦争は技術ではなく、概念に紐づいて考えると理解しやすい、と著者は主張する。

9.11同時多発テロを予言したと話題となり、米国の軍事戦略に大きな影響を与えたとされる復刊著書『超限戦』。本稿では、本書から戦争はどう変わってきたか、また今後どのような変化が起き、われわれはいかに対応すべきなのか──21世紀の「新しい戦争」を提示する。

※本稿は喬良,王湘穂著『超限戦』(角川新書)より一部抜粋・編集したものです。

技術が兵器をつくり、戦法を決めていた

兵器革命はいつも軍事革命より一歩先んじている。革命的な兵器が現れると、軍事革命の到来もそう遠くない。

戦争の歴史において常に証明されてきたように、青銅または鉄の槍は歩兵の方陣を作り出し、弓矢と馬の鐙は騎兵と新しい戦術を生み、黒色火薬を用いる銃や大砲は一連の近代戦争の様式を誕生させた。

円錐形銃弾とライフル銃が技術の時代の尖兵として戦場に送り込まれたときから、兵器は戦争に自分の名前を刻み込んできた。

最初は鋼鉄製の軍艦が海の覇者になり、「戦艦の時代」を切り開いた。次に軍艦の兄弟に当たる「戦車」が地上戦に自分の名前を刻み込んだ。

その後、戦闘機が空を制覇した。そして最後にとうとう核兵器が世に現れ、核の時代の到来を宣言した。

今日、大量のハイテク兵器が次から次へと作り出され、これなくして戦争は戦えなくなっている。

未来の戦争を論じるときには、ある兵器あるいは、ある技術をもって、その戦争の呼び名とし、「電子戦」、「精密兵器戦」、「情報戦」と呼ぶのが習慣になっている。

しかし、慣性に任せて思考のトラックを走っている人々はまだ気づいていないようだが、実はひそかに大きな変化が迫っているのだ。

戦法が兵器をつくる時代に

戦争の歴史が始まってから、人間がずっと守り続けてきたのは「兵器に合わせた戦争」だった。往々にして、兵器が作られた後に、それに合わせる形で戦法が作られる。

兵器が先行し、戦法がそれに追随する。兵器の変化が戦法の変化を決定的に制約する。

もちろん時代と技術という限界要素はあるが、これは各時代の兵器製造専門家が兵器の性能が先進的であるかどうかだけを考え、ほかの要素を無視するという直線的思考と無関係ではない。

兵器革命がいつも軍事革命より先行するのは、そのためかもしれない。しかし、近年アメリカ人は「戦争に合わせた兵器開発」という構想を打ち出し、兵器と戦法との関係に、戦争の歴史が始まって以来の最大の変革を引き起こした。

これは、先に作戦の方式を確定してから兵器を開発するやり方である。アメリカ人が最初に試みたのは「空地一体戦」で、そして最近話題になっている「デジタル化戦場」や「デジタル化部隊」はその最新の試みである。

このようなやり方は、いつも軍事革命に先行していた兵器の地位がすでに動揺し、戦法が先行し兵器が追随する、あるいは両者が相互に作用を及ぼしながら同時進行していくという新しい関係の構築を示している。

「戦争に合わせた兵器開発」という、時代の特徴と実験室の特徴を鮮明に備えたやり方は、戦争史の重大な突破を醸成すると同時に、現代戦の潜在的な危機もはらんでいる。

まだ検討中の戦法に合わせて一連の兵器システムを立ち上げるのは、あたかも誰が宴会に来るのかわからないのに、豪華な料理を準備するのと似ている。

少しでも予想が外れたら、とんでもなく悲惨な結果になる。言い換えれば、今日の世界で、兵器にならないものなど何一つない。このことは、われわれの兵器に対する認識の上で、すべての境界を打ち破るよう求めている。

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最終更新:2/15(土) 11:51
PHP Online 衆知(Voice)

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