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【ヒットの法則142】メルセデス・ベンツS350、S500との外観での識別点はエンブレムのみ、それが彼らの流儀だった

2/15(土) 18:32配信

Webモーターマガジン

最上級S500ロングの人気一段落して主力となるのはS350

5代目メルセデス・ベンツSクラス(W221型)は2005年9月のフランフルトモーターショーでデビュー、10月の東京モーターショーで日本で正式発表された後、年末には早くもデリバリーが開始されている。当初設定されたのは、2エンジン仕様の3グレードのみ。つまり、ショートボディのS350、同じくS500、そしてロングボディのS500ロングだ。ここではすでに高評価が定まりつつあった3.5L V6DOHCエンジンを積むS350の試乗記を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2006年2月号より)

【写真】リアビューやインパネ、エンジンなどを見る(全10枚)

メルセデス・ベンツに限らず、この手の高価格車の場合、そのモデル初期においては高いグレードから売れていくのは常識である。Sクラスなどは、その道理がもっとも当てはまる例であり、新型においても限定モデルの価格1600万円の300台限定S500ロングAMGパッケージから売り切ったというからすごい。

S500ロングの人気が収まった後に、主力となるのは間違いなくS350である。これまでのSクラスにおいても、乗用車としてのバランスの良さとコストパフォーマンスの高さを考えると、常にマルチシリンダー系のトップモデルより、6発系の廉価グレードの方が堅調に売れ筋を保った。
W221型ではその傾向がさらに強まりそうである。なぜか。すでにEクラスなどに積まれて評価の高い3.5L V6DOHCエンジンを積むからばかりじゃない。6気筒エンジンの高性能化に加えて、上級グレードとの装備差がなくなってきたからだ。

つまり、今のS500と比べるとパワースペック等に歴然と差を感じるが、これまでのレベルで考えればS350のスペックは決して見劣りしないものに進化しているし、装備レベルでさえ最新最高のグレードと同等だということになれば、最早高いグレードを買う理由が、文字通り「高い」ということだけになる。

その象徴が、シャシだ。W221型では、エアマティックサスペンションが全グレードに標準装備となっている。これまでの例を見れば、エアサスは上級グレード専用の装備であり、あの乗り味が欲しければ、価格も見てくれも違う高いモデルを買うしかなかった。

今度のは違う。中身も見てくれも、S500とS350で変わるところがほとんどない。ホイールデザインやタイヤサイズも同じ。リアエンブレムが違うのみなのだ。もちろん、細かな装備内容には違いが散見される。それでも、同じボディサイズのS500と比べて、はっきりと違いがわかってしまうのは、レザーシートやハーマンカードンのAVシステム、赤外線反射ガラスにパークトロニックといったものだけ。しかも中にはS350にもオプション設定される装備もあるから、実質的な差はほとんどないに等しい。

何も1000万円超のぜいたくをせずとも、S350で「らしさ」は十分味わえる。もっとも、これだって乗り出し1000万円クラスの大物であることには変わりないがノ。

これがS500ロングとの違いともなれば、その標準装備の差は大きい。カタログを順に見れば、NECKPROアクティブヘッドレストにはじまり、ラグジュアリーヘッドレスト、ガラススライディングルーフ、セミアニリンレザーシート、レザー&ダークウッドコンビステアリングホイール、シート周りの機能装備、電動ブラインドなど、ロングボディであることと、S500との違いに加えて多くの相違点が見つかる。

そういう意味では、いきなりS500ロングを買ってしまうというやり方も、予算さえ都合がつけば、あながち間違った買い方ではない気もしてくるから、不思議なものだ。まあ、そういう絶妙な価格設定を行っているということだろう。

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最終更新:2/15(土) 18:32
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