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韓国に住む私がパラサイトに目を覆ってしまった理由

2/15(土) 6:00配信

JBpress

 (※)本記事は映画『パラサイト 半地下の家族』のあらすじに関する記述が含まれます。映画を未見の方はご注意ください。

【写真】映画『パラサイト 半地下の家族』予告編の一場面。トイレがリアルだ

 (平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)

 平常心では何とも見ていられない映画だった。

 カンヌとアカデミーで2冠を達成し、今話題沸騰の韓国映画『パラサイト』である。半地下の部屋に住む家族が金持ちの一家にたかるようにしてその豪邸に忍び込み、最後に殺し合いになるという話だ。その金持ち家族のその後は描かれてはいないが、豪邸が売りに出されていたのだから、恐らく家庭崩壊したのだろう。

 でも、そんなことは、ここでは全く重要ではない。私は映画評論家ではないから映画の出来の良し悪しをどうこう言うほどの知識も眼もないし、そのつもりもない。

 ただ、この映画は私が見るにはあまりにも辛い映画だったのだ。

■ リアルすぎる半地下生活

 映画には、リアルなところとファンタジーなところがある。その比率によってそれぞれ楽しめたり楽しめなかったりする。

 私がこの『パラサイト』を見ていられなかったのは、リアルなところが私の記憶を見事に刺激しすぎたためなのだ。ここではそのことを話したい。

 この映画のリアルなところは、一部の人たちにとってきわめてリアルである。映画のリアルさというのは、大衆文化の特性上、ある程度は緩和されて描き出されている。それを映画の中の出来事として素直に受け入れられれば面白く、珍しく見えるのだろうが、韓国の半地下生活の厳しさをある程度(つまり中途半端に)知っているものであれば、平常心ではいられなくなる。

 半地下生活が私にとってリアリティを持つのには、いくつかの理由がある。まず、私の知り合いにも1人、半地下生活を送っている人がいるからだ。

 彼が半地下生活を送るには、厳しい成り行きがあった。会社を潰し、離婚を経験し、子どもが暴力沙汰で警察の世話になる。これだけ書けば十分だろう。15年も韓国に住んでいれば、当初はそうではなかったとしても、そのような暮らしになってしまう知り合いもいるものだ。

 2つ目は、私も一歩間違えば半地下生活を送っていたかもしれないからだ。

 韓国で家を借りるには、巨額の頭金が必要だ。私が今住んでいる家でも、毎月支払う家賃とは別に、500万円ほどの頭金を預けている。それは家を引き払うときに戻ってくるから差し引きゼロなのだが、入居時にかき集めるのは大変だ。

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最終更新:2/15(土) 6:00
JBpress

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