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剛球王・北方悠誠が語るマイナーリーグの 現実。現テーマは「打たれること」

2/15(土) 7:00配信

webスポルティーバ

昨年、独立リーグからMLBの球団と契約を交わしたひとりの投手が話題になった。彼の名は北方悠誠(きたがた・ゆうじょう)。2011年にドラフト1巡目でDeNAに入団。160キロに迫ろうかというストレートを武器に将来を嘱望されたが、制球難からNPBではその才能を開花させることなく、独立リーグで捲土重来を期していた。

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 しかし、そこでも一時は打者に転向するなど思うような成績を残せず、毎年のように戦力外通告を受けていた。だが昨年、ルートインBCリーグの栃木ゴールデンブレーブスで不死鳥のようによみがえり、シーズン開幕後、MLBのロサンゼルス・ドジャースからオファーを受け、海を渡った。

 そして今、北方はニュージーランドのプロ球団「オークランド・トゥアタラ」で2020年のスタートを切った。

 アメリカでの初シーズンは、「まず環境に慣れるため」と最下位のルーキーリーグで過ごした。少しばかりの契約金と独立時代とさほど変わらない給料だったが、ホテル代は球団持ち、食事もミールマネーが出るので生活に困ることはなかった。

 アメリカでの成績は13試合に登板して0勝1敗1セーブ、防御率7.20。四球は15イニングで17と相変わらず多かったが、先発、リリーフの両方で起用されたということは、球団もまずは北方のポテンシャルを試し、今後の方向性を見定めようとしたのだろう。

 北方自身も数字は気にしなかった。むしろ、これまで日本球界での評価がリセットされたことで、思う存分、野球を楽しむことができたという。

「このクラスでなら、ある程度ストライクゾーンに投げることができれば勝負できるかなって、手応えを感じました。球威だけなら、こっちでも十分にやっていけると思いました」

そう語る北方がアメリカで見つけた課題は、制球力ではなく、変化球だった。なにかひとつ、変化球をストライクゾーン周辺に決めることができれば、上のレベルでも勝負できる。そして北方が勝負球に選んだのがスライダーだ。

「スライダーがしっかり決まって、狙い球を絞らせなければ、ストレートで差し込むことができていたので......それですね」

 高校からプロに入った投手にありがちなことだが、急激に狭くなるプロのストライクゾーンに苦しみ、本来の力を発揮できずに去った投手は少なくない。北方もそのひとりだった。だが今は、日本で悩まされていたストライクゾーンは、まったく気にならなくなったという。

「去年、栃木でプレーしていた時点で、もうストライクゾーンは気にならなくなっていました。打者が打てるコースに投げる練習をしていましたから。それにアメリカでは、みんなどんどん振ってくるので、カウントを稼ぐのが楽でした」

 マイナーリーグ、とくに育成に重きを置くシングルA以下のカテゴリーでは、試合、練習のスケジュールは球団により厳密に管理されている。ドミニカのルーキーリーグなどでは、すべての練習が球団スタッフの目の届くところでしか行なえず、練習のやりすぎを防止するため、トレーニング場にカギをかける球団もある。

 北方の所属していたアリゾナのルーキーリーグは、選手が自身のルーティンを持っているので、そこまでの管理はない。そもそも与えられたメニューをこなしながら自分に合ったトレーニング法を探していくという意識が高いため、トレーニング方法をアレンジすることはあっても、量を増やすという発想はあまりない。こういう練習環境も、北方にフィットしたようだ。

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最終更新:2/15(土) 11:38
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