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『テセウスの船』この後の展開は? 原作で追っかけ&先取り!

2/16(日) 14:30配信

webマガジン mi-mollet

1月からTBS系で放送中のドラマ「テセウスの船」。竹内涼真さん主演の本格クライム・サスペンスで、回を重ねるごとにSNS上で犯人探しが盛り上がっています。こちらは2019年6月まで「モーニング」で連載されていた同名漫画が原作で、ドラマが話題を集めるにつれ、物語の展開が気になって全10巻の単行本を買い求める人も増えています。そのため、品切れになる書店も続出! 時空を超えて謎が謎を呼ぶストーリーについてご紹介いたします。

タイトル「テセウスの船」が示す「私が私たりえるもの」とは?

作品のタイトルになっている「テセウスの船」とは、古くから言われているパラドックス(矛盾、逆説のこと。または、一見正しく見えるが正しいと認められない説を指す)の一つ。その昔、クレタ島から帰還した英雄・テセウスの船の修復作業が行われました。古くなって朽ちた部品を新しい部品に置き換えていくうちに、当初の部品はすべてなくなってしまいました。この時、この船はもとの船と同じといえるのか? というものです。

 実は人間についても同じことが言えます。人の体の中では毎日3000億個の細胞が死に、生まれ変わっています。数ヶ月もすればほとんどの細胞が入れ替わることになりますが、だからといって別人ということにはなりません。そうは言うものの、「私が私たりえるものは何なのか?」ということを考えると、とても心もとない気持ちになります。

 物語の主人公は田村心という青年で、由紀という臨月の妻がいます。愛する妻がいて、新たな家族が誕生する直前で幸せなはずなのに、心にはどうしても拭い去れない過去が楔のように打ち込まれています。それは、警察官だった父・佐野文吾が1989年に北海道・音臼(おとうす)小学校で起きた、21人無差別毒殺事件の犯人として逮捕され、今も札幌の拘置所で身柄を勾留されているという事実。

事件当時、心は母親のお腹の中にいて、生まれた頃には父は逮捕されていました。そして、物心つく頃には死刑判決がでていました。文吾が逮捕されて以来、母親は子どもを連れて身を隠さざるを得ず、周囲に事件のことがばれるたびに転居を繰り返しつつ、女手一つで必死になって長女、長男、次男の心を育ててきました。

心にとっては見ず知らずの父親のせいで、なんでこんなひどい目に遭わなくてはならないのかと憤りつつ、自らが「加害者の息子」ということを知られないよう、ひっそりと生き続けてきました。そんな中、ようやくつかんだ妻・由紀との穏やかな生活でしたが、由紀は出産時に生まれたばかりの赤ちゃんを残して命を落としてしまいます。さらに追い打ちをかけるように、心が犯罪者の息子ということで、結婚を反対していた義父に、「こんな環境に孫を置いておけない! 孫を引き取らせてもらう」と言われ、絶望的な気持ちに。

生まれてきた娘のために、過去を変えることはできなくても、今まで逃げ続けてきた過去と向き合おうと決めた心は、北海道で勾留され、今も無実を訴え続けている父に会うことを決意します。その後押しになったのは、生前の由紀が無差別殺人事件の前に、音臼村で起きていた不可解な事件の数々を調べており、「もしかしたら冤罪ではないか?」というかすかな期待でした。もし冤罪であれば、心も生まれてきた子どもも犯罪者の家族ではなくなるからです。

拘置所にいる父に会う前に北海道・音臼村を訪れた心ですが、突然濃い霧に覆われます。視界が遮られる中、進んだ先には既に取り壊されているはずの音臼小学校がありました。そこは事件半年前の音臼村で、心はタイムスリップしてきたのです――。

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最終更新:2/17(月) 8:42
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