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EUにおける「英語」の地位、ブレグジット後も揺るがず?

2/16(日) 12:00配信

Forbes JAPAN

英国が欧州連合(EU)を離脱したいま、EUの将来についてはさまざまな疑問が浮上している。そのうち最も興味深いことの一つが、「言語」を巡る問題だ。英語はベルギーの首都ブリュッセルにあるEU関連機関のリンガ・フランカ(共通語)だ。政策立案者たちはエネルギーや安全保障、貿易といった分野の規制法などについて、英語で議論をしている。

EU加盟国では2012年の時点で、域内市民の過半数(52%)が第一言語、または第二言語として英語を話すことができた。ドイツ語が話せる人は32%、フランス語を話せる人はわずか26%だった。現実的なコミュニケーションの手段として使用できる言語は、英語だけだったということになる。

EU統計局(ユーロスタット)が世論調査などの結果を分析して発表する「ユーロバロメーター」によれば、英語を話す人の割合は、2012年以降に増加したとみられている。ただ、そうした人たちの大半は、英語のネイティブスピーカーではない。

英国が加盟していたEUでは、域内市民に占める英語のネイティブスピーカーの割合は13%だった。そして、2月1日に英国のEUからの離脱「ブレグジット」が実現した時点で、この割合はわずか1%に低下した。一方、英語を話せるEU市民の総数は(2012年のデータに基づいて計算すれば)、44%までの減少にとどまっている。

ブレグジットで人口が約4億4600万人に減少したEUにおいても、英語は最も多くの人に話されている言語だ。EU市民に占める各言語の話者は、ドイツ語が36%、フランス語が29%。イタリア語が18%、スペイン語が17%。

これらの数値は2012年の調査結果に基づいて算出したものであり、英語の話者は実際には、前出の数値より高いと考えられる。EU市民の英語の習熟度が同年以降も急速に上昇していることを考えれば、50%に近いと推定できる。

EUには23の公用語があり、日常業務に使用する言語は英語とフランス語、ドイツ語とされている。だが、実際に使用されているのは英語とフランス語のみだ。エマニュエル・マクロン仏大統領や欧州委員会のジャンクロード・ユンケル前委員長は、EU機関はブレグジット後、より多くの機会にフランス語を使用すべきだと訴えてきたが、統計からみれば、それが実現する可能性は低い。

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最終更新:2/16(日) 12:00
Forbes JAPAN

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