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大塚明夫「声優を夢見る若者が陥りがちな失敗」

2/16(日) 5:25配信

東洋経済オンライン

『攻殻機動隊』シリーズのバトー役や、『機動戦士ガンダム0083』のアナベル・ガトー役など、多くの代表作を持つベテラン声優の大塚明夫氏が語る「声優論」。第5回では、「声優志望の若者が陥りがちな失敗」について解説します。
 声優として演じたいのか、ちやほやされたいのか、自分のモチベーションを見極めろ。それが、今回お伝えしたい一番のメッセージです。

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 若い声優志望者に「声優になりたい理由」を聞くと、多くの人がもっともらしい理由を口にします。

 「芝居が好きで、いろんな役を演じたいからです」

 「子どものときにアニメからもらった感動を自分も人に与えたいからです」

 しかし、私はこうした言葉をどうも真に受けることができません。「君、本当にそうなの?」と問いかけたくなることがほとんどです。それは彼らが、自分のやりたいことを本当に見極められているように見えないからです。

 率直に言うと、声優志望者の多くが「ちやほやされたい」という欲求を隠し持っています。それ自体は悪いものではありません。しかし、自分がどれだけそれを望んでいるのか、その欲求の優先順位がどれだけ高いのかは自覚しておかなければいけません。

■君は本当に「声優になりたい」のか? 

 「ちやほやされたい」が一番の望み、むしろそれしかないのに、「声優になりたい」が自分の欲求だと勘違いしている人はとにかく多いです。「子どもに夢を与えたい」という言葉についても同じです。本当の優先順位はどうなのでしょうか。「子どもに夢を与える」ことが本当にあなたの一番の夢なのですか?  それが夢なのであれば手段はほかにもいろいろありそうなものですが、あえてハイリスク・ローリターンな「声優」を選ぶ理由はなんでしょうか。

 その理由の中に「ちやほやされたい」があってもいいのです。いちばん大事なのは、そういう欲求を自分が持っていることから目を背けないことです。そして、声優というハイリスク・ローリターン極まりない商売の中でそれを獲得するためにどれだけ本気で努力できるのか、その努力を楽しめるのかを想像することです。

 役者とは生き方である。繰り返し私がそう言うのは、そこで何が起きても自分の責任であるということが、「職業」だと思っているとなかなか理解できないからです。自分の選択の結果として現状があるのにそれがわからない。こうなるともう、ひたすら予想屋の言うとおりに馬券を買い続けているにわかギャンブラーの世界です。「チッ外れた、あの野郎が予想を外したからいけないんだ」とぼやくようなものです。その予想屋の言葉を信用したのは誰だったでしょう。

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最終更新:2/17(月) 12:22
東洋経済オンライン

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