ここから本文です

改めて注目される「EQ」 なぜビジネスを成功に導く能力なのか?

2/17(月) 11:12配信

日経BizGate

ビジネスを成功に導く研究から発見されたEQ

 EQ(Emotional Intelligence Quotient)は、現在エール大学学長を務めるピーター・サロベイ博士とニューハンプシャー大学教授のジョン・メイヤー博士が1990年に発表した理論です。

 彼らが着目したのは、心理学の立場から、ビジネス社会における成功の要因を見ることでした。アメリカは能力第一主義の国であり、能力を測る指標の一つとして有力視されているのが修士や学士といった学歴です。このために高学歴でIQ(Intelligence Quotient=知能指数)が高い人材がビジネスでも成功すると一般的に考えられてきました。

 ところがこの常識を実際のビジネスの世界で検証してみると、必ずしも相関がありませんでした。確かにIQはビジネスの成功のために一定の役割を果たしています。しかしIQ以外にも成功のために必要な能力があるはずです。それは何でしょうか?

 両博士は、ビジネスパーソンを対象にした広範囲な調査研究を行いました。その結果、明らかになったのが「ビジネスで成功した人は、ほぼ例外なく対人関係能力に優れている」というものでした。そして成功に導く能力を「学歴などで現れる能力は2割、8割は対人関係能力」と結論づけたのです。

 具体的には、「自分の感情の状態を把握し、それを上手に管理、調整するだけでなく、他者の感情の状態を知覚する能力に長けている」ということです。社外との関係をうまく調整でき、社内的にも多くの協力者を得ることで、ハイ・パフォーマーとしての成果を生み出していたのです。

 これらの研究結果から、サロベイ、メイヤー両博士が提唱したのが「感情をうまく管理し、利用できることは、能力である」というEQ理論です。わたし自身の経験でも、IQが高くてもビジネス社会で成功しない人をたくさん見てきました。逆に高IQ(一般的に高学歴)に関係なく、成功している人がたくさんいることも知っています。そういう人に共通しているのは、人の気持ちがわかり、人のために動けることです。

 小学生の頃を思い出すと、算数が得意で成績のいい子は「頭がいい」と言われました。一方、クラスで飼っているウサギの世話をする当番の子が休み、その代わりをすすんでやる子は「いい子」と言われました。

 わたしは、算数を解くのも能力、休んだ友だちの気持ちが分かるのも同じ能力であり、社会で成功するのは後者の「人の気持ちが分かる」能力が高いほうだと理解しました。ウサギの世話をすすんでやる子は、そうすることが当たり前と思っているので、それを自慢したり、アピールしたりすることはありません。誰かがやらないと誰かが困る、と困る人の気持ちを思い、自然にそういう行動ができたのです。社会ではそういう人が評価され成功しているのではないでしょうか。

1/3ページ

最終更新:2/17(月) 11:12
日経BizGate

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ