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変わるロシアのファッション “おそロシア”の先入観を払拭するため首都モスクワを取材

2/17(月) 12:16配信

WWD JAPAN.com

 ロシアほど疑惑に満ちた国がほかにあるだろうか。政治的な疑惑は数知れず、オリンピックが開催されるたびに国家ぐるみの大規模なドーピング疑惑が浮上する。2016年のアメリカ大統領選挙にロシアが干渉したとされるロシア疑惑はいまだ解明されぬままだ。「たやすく笑顔を見せることが低俗である」という文化が根付いているため無愛想な印象を抱かれており、映画などでもロシア人は冷徹に描かれることが多い。筆者も政治的印象と先入観だけで勝手に“おそロシア”観を持っていたが、だからこそ引かれる側面もあり、2020年春夏シーズンのメルセデス・ベンツ・ファッション・ウィーク・ロシア(MERCEDES-BENZ FASHION WEEK RUSSIA)に参加するため初めてロシアを訪れた。

 ロシアは世界最大の国土を有するものの、大半が極寒地域のため、人間が住むのに適しているとされるのは国土面積の23%だ。全体の国土面積は日本の約45倍、人口は約1億4500万人と日本を少し上回る程度である。18年度のGDPランキングによると経済規模は世界12位(日本は3位)。世界的な日本企業といえば三菱自動車、パナソニック(PANASONIC)、ユニクロ(UNIQLO)などの名が浮かぶが、世界的なロシアの企業は?と問われてすぐに答えられるだろうか。実際のところロシアは製造業が発展途上国並みで、国の経済を支えているのは輸出の60%以上を占める石油や石炭、貴金属といった天然資源である。ここ数年で小麦の輸出量は伸びたものの、微々たるもの。天然資源依存型の原始経済から脱却して経済や産業の近代化を進めようとするも、ソビエト連邦崩壊から約30年後の現在も数字的に大きな変化は見られない。

数々の巨大建造物の威圧感に驚き

 ソビエト連邦時代の名残りは経済だけでなく、首都モスクワ市内に多く見受けられた。まず驚いたのは、とにかく建築物が巨大であるということ。高層ビルは東京の方が圧倒的に多いものの、ここでいう巨大とは高さではなく、横幅や扉の大きさ、1フロアの高さなど全てがとにかく大きくて威圧感を覚えるほどだ。これはソビエト連邦時代の建築に見られる特徴で、国家の権威と共産主義の偉大さを表現し、労働者を鼓舞する意図があったためだという。特に、第2次世界大戦時に最高指導者として旧ソビエト連邦を主導したヨシフ・ヴィッサリオノヴィチ・スターリン(Joseph Vissarionovich Stalin)体制の時代に建てられた建築物は“スターリン建築”と呼ばれ、モスクワにある7つの代表的な建物は観光名所でもある。さらに、街中を歩いていると角を曲がるたびに銅像や絵画に出くわす。兵士の絵や肖像画などのほか、銅像に関しては大きいものから名も刻まれていない小さなものまでとにかく街中に溢れており、愛国心を強調する共産主義国家の意図が感じられた。

 巨大な建物と無数の銅像が並ぶモスクワ市内だが、車線と歩道が広く、木々も多いため都会ならではの息苦しさはなかった。しかし、公道が8車線あっても交通量が多く、常に渋滞がひどい。モスクワは首都であるにもかかわらず高速道路は一本もなく、インフラ整備の遅れが顕著である。ロシア企業家産業家同盟(ロシアの経団連に相当する組織)が2013年に発表した報告によれば、ロシアで活動する外国企業はロシアにおけるビジネス障壁として、50%が形式主義的な許認可手続き、42%が汚職、37%がインフラ整備の遅れを挙げている。インフラ未整備は経済成長促進を妨げる要因の一つとして政府も認識しているが、財源がネックとなって予算の優遇措置ができない状況が続いている。

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最終更新:2/17(月) 12:16
WWD JAPAN.com

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