ここから本文です

「税理士さん、法律違反ですよ」相続争いで主張したいこと

2/17(月) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

遺産分割で揉めてしまったため、2人の税理士が登場するケースはよくあります。そのような場合、お互いの相続税申告額がぴたりと同じことはほとんどありません。今回はその理由を解説していきます。※本連載では、円満相続税理士法人の橘慶太税理士が、専門語ばかりで難解な相続を、図表や動画を用いてわかりやすく解説していきます。

2人の税理士の相続税申告額…差が生じるポイントは?

相続税の申告書の作成は、基本的に1家族1人の税理士に依頼をするのが原則です。つまり1人の税理士が作った申告書に相続人全員が印鑑を押して、その申告書を税務署に提出するのが原則なのです。

しかし相続争いが起きてしまい、相続人同士が顔も合わせたくない、というときに、お互い別々の税理士に申告書の作成を依頼し、別々に提出する場合があります。このとき、申告書が同じ内容にならないことはよくあります。

このように2人以上の税理士が登場するケースにはパターンがあります。よくあるのが、亡くなった方とその家族に、毎年の確定申告をお願いしていたり、経営者であれば法人の決算をしていたりと、元々付き合いのある顧問税理士がいるパターンです。

この場合、遺産分割で揉めると、顧問税理士が仲裁に入ろうとすることがあります。これは違法行為です。揉めている相続の仲裁に入れるのは弁護士だけです(正しくいうと、弁護士でも仲裁には入ることはできず、対立しているどちらか一方の味方しかできません。お互いが弁護士を立てて、争うことになります)。しかし、このようなケースは結構あります。

さらにこのケースだと、顧問税理士が元々付き合いのある相続人に有利なことを言ってしまうことが多いのです。そうすると、対立しているほうの相続人はたまったものではありません。「あの税理士、あっちのほうばかり肩入れして!」となり、別の税理士に依頼することになるのです。

こうして、別々の税理士に相続税の申告書の作成を依頼することになった場合、最初、双方の税理士は、自身が揉めているわけではないので、協力しようというスタンスでいる場合が多いです。しかし、最終的には内容はバラバラになってしまいます。

その要因は大きく2つあります。まず「不動産の評価額」。不動産の評価は、現地に行って実測しないと適正な評価は出ない場合が多いです。必要以上に高く評価してしまったり、周囲にお墓や高圧電線があるなど、評価減ができるにも関わらずしていなかったりなど、同じ不動産でも、依頼する税理士によってずいぶんと評価額は変わってきます。

次に「隠し財産」。亡くなった方と一緒に住んでいた相続人が、被相続人の生前中に勝手に財産を引き出してしまうことはよくあります。被相続人の介護をしている相続人が、生活費の名目でたくさん引き出してしまう、などのパターンですね。そして、ほかの相続人が通帳を見ると「なんでこんなに財産が使われているの?」と争いに発展することがあります。

このような争いでは、相続税の申告まで影響を及ぼします。「隠された! 取り返したい!」と考えているほうは、隠し財産まで申告しないと追徴課税になってしまいます。一方、「隠し財産があるだろう!」と言われている側は、「いやいや、そんなお金はないよ」と申告はしません。ここで評価が大きく変わるということがよくあります。

さらに隠し財産だけでなく、貸付金ということもよくあります。たとえば「お兄ちゃん、10年くらい前に、お母さんから3,000万円借りていたでしょ。相続税の対象になるんだから、きちんと申告しなさいよ」というようなケースですね。お兄さんからすると「いやいや、あのお金は返さなくてもいいと言われているんだ」と意見が食い違い、評価額にも大きな差が生じてしまうのです。

1/2ページ

最終更新:2/17(月) 9:00
幻冬舎ゴールドオンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事