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KDDIの「残価設定型」割賦導入は新手の“縛り”? 政府どう出る?

2/18(火) 18:00配信

日経ビジネス

 KDDI(au)は2月17日、「業界初の残価設定型」とうたうスマートフォン(スマホ)の新たな割賦購入プログラム「かえトクプログラム」を発表した。利用者が購入したい対象機種の2年後の買い取り価格をKDDIが「残価」として設定し、あらかじめ本体価格から除いた上で、2年間(24回)の割賦で支払う仕組み。これにより高価なスマホ機種の月々の支払い負担を軽減できるとする。月々のプログラム利用料は不要。21日から提供を始める。

【関連画像】度々変更されるプログラムは、継続的な検証が必要になるだろう。(写真はイメージ)

 もともと同社は、原型となる端末購入プログラム「アップグレードプログラムEX」を2017年から提供していた。スマホを48回払いで購入し、25カ月目以降に機種変更すると残り24回分の支払いが不要になる内容のため、端末価格が「最大半額になる」とうたっていた。だがKDDIとの契約を続ける必要があったり、他社顧客がプログラムを利用できなかったりと制約が多く、19年10月に条件を緩和した「同DX」を投入。さらに同年11月、割賦回数を36回に変更した「同NX」へと切り替えていた。つまり今回は3度目のプログラム改定というわけだ。

 なぜKDDIは端末購入プログラムの変更を繰り返してきたのか。そもそもの発端はスマホの販売手法を巡って政府と携帯大手が続けてきた駆け引きだ。

 高価な端末を大幅に値引いて販売し、その原資は回線契約者全体から通信料として長期にわたり徴収する。そのために契約者が簡単には他社に乗り換えられないよう「縛る」――。日本の携帯電話業界ではそんな商慣習が長らく続いた。是正を狙う政府は「実質0円」など端末乱売を封じる施策を講じてきたが、そのたびに携帯各社が新たな販売手法を通じてかわしてきた経緯がある。KDDIだけでなく競合のソフトバンクやNTTドコモもこれまでに48回や36回といった長期の割賦購入プログラムを投入している。それが新たな「縛り」になるとの批判は業界内外にくすぶっており、各社は段階的に購入プログラムを手直ししてきた。

 こうした経緯を踏まえてKDDIが提供する今回の新プログラム。現行のアップグレードプログラムNXに比べて対象機種が広がるほか根本的な違いがないように見えるが、ある携帯大手関係者は「大手各社が類似の手法を採るだろうが、5G市場を早期に拡大したい政府は容認せざるを得ないのではないか」と話す。5Gの通信サービスに対応したスマホは現行の4G対応機種よりも高機能で高価になるので、消費者の支払い負担を抑える何らかの仕掛けが必要だと、携帯大手は主張してきた。その通り新プログラムが5Gスマホ普及の一助になるのか、それとも政府などが問題視する「縛り」につながるのかについては継続的な検証が必要になるだろう。 

高槻 芳

最終更新:2/18(火) 18:00
日経ビジネス

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