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ビジネス書だけが「ビジネスに役立つ読書」ではない。『ベストセラーで読み解く現代アメリカ』刊行によせて【幻想と創造の大国、アメリカ】

2/19(水) 20:01配信

FINDERS

居心地の悪いパーティで、初対面の人と楽しく話す方法

私は、仕事で1年に1000人以上の初対面の人と会う。アメリカ在住だが、会うのはアメリカ人だけではない。年に2度の大きなビジネス集会では世界中の人が集まるし、中南米や欧州の国々も毎年訪問する。そこで会う人たちは、国籍、人種、宗教、ジェンダー、年齢、職業のバラエティに富んでいる。もちろん、文化や社会的・経済的な背景、政治的な立場も異なる。

たとえそうした背景が私と似通っていても、初対面の人と会ってすぐに心を通わせるのは難しいものだ。見知らぬ者ばかりの立食パーティに招かれたら、ひとりで立っているのはなんだか恥ずかしい。最後まで席を変えることができないディナーで知らない人と隣になるのは、さらに苦痛だ。

体験者はこの居心地悪さをよく知っていると思う。かつての私は、さっさと逃げることばかりを考えていたのだが、マインドセットを切り替えてからは見知らぬ人との出会いを楽しめるようになった。

マインドセットを切り替えるきっかけになったのは、全世界に2000人以上の従業員がいる企業のCEOから「ユカリは外交的だからいいよね。知っている人が誰もいないパーティでもすぐに友達を作ってお喋りする。僕はシャイだからとてもできない」と言われたことだった。私は少々呆れた。それは、彼の会社のクリスマスパーティだったのだから。

私は「私だってシャイよ! 一人で立っていると恥ずかしいから自分と同じような人をみつけて話しかけているだけ」と答えたのだが、このときに気づいたのが「居心地が悪いのは自分だけではない」ということだ。

それからは、初対面の人と会うときには、自分ではなく、「相手」の居心地悪さを取り除くことを目標にした。チャレンジする目標があるとやる気も出てくるものだ。

「どちらからいらしたのですか?」、「ご家族は?」、「どのようなお仕事をされているのですか?」といったごく普通の話題から切り出し、目が輝いたり、笑顔になったり、といったポジティブな反応がある話題を掘り下げ、広めていく。そうすれば、たいていの人は生き生きと語ってくれるし、「楽しい会話だった」という満足感を持ってくれる。

だが、「会話上手」だと思っている人が知らずにおかしている失敗がある。それは、「自分のことばかり語る」ことだ。

特に女性はよく体験していると思うのだが、男性が女性を相手にするとき、その人の専門領域や達成を尋ねる前から「教えてあげる」モードになりがちだ。相手の返答をよく聞きもせずに、自分の知識や体験を次々と披露し、「指導」する。レベッカ・ソルニットが『説教したがる男たち』というエッセイ集に書いて有名になった「マンスプレイニング」がこれだ。一方的に喋り尽くした本人は「教えてやった」、「有意義な会話だった」と満足感を抱くが、相手はまったく逆のことを考えている。

言うまでもないが、ビジネスでも恋愛でも、これをやると成功は望めない。

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最終更新:2/19(水) 20:01
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