ここから本文です

<アライブ>医療監修・小野麻紀子氏「患者さん目線でも現実に近い作品になっていると思います」

2/19(水) 6:30配信

ザテレビジョン

松下奈緒が主演、木村佳乃が共演を務め、がんを専門に扱う腫瘍内科を舞台に描く「アライブ がん専門医のカルテ」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)。

【写真を見る】患者さんを診察する松下奈緒

同作は腫瘍内科医の恩田心(松下)と消化器外科医の梶山薫(木村)がタッグを組み、国民病ともいえる“がん”に立ち向かっていくメディカル・ヒューマン・ストーリー。がん治療の現実が丁寧に描かれており、「人の命に寄り添う姿に感動した」「私も心先生に診てもらいたい」と評判を呼んでいる。

そんな同作の医療監修を務める小野麻紀子氏にインタビューを実施。実際の腫瘍内科やがん治療などについて話を聞いた。

――腫瘍内科を舞台にしたドラマが作られると初めて聞いたときの率直な感想はいかがでしたか?

腫瘍内科はあまり知られていないんですよね。なので、影響力の大きいテレビで取り上げていただいたら知名度も上がるかなと思い、うれしかったです。

――松下さん演じる心を見られていかがですか?

すごくいいと思います!私の患者さんの中でドラマを見ている方に、「先生のことを思い浮かべてドラマを見ていたら、最後のクレジットに先生の名前があってびっくりしました!」って言われました(笑)。

なので患者さんも違和感なく見ているんだなと思います。「私もあのドラマの中にいるような感覚になる」っておっしゃっている方もいて、患者さん目線でも現実に近い作品になっていると思います。一方で、リアルな演出なのでドラマを見れない方もいらっしゃり、無理をしないようお伝えすることもあります。

■ 「がん患者さんは見た目では分からないことも」

――小野先生が腫瘍内科医を志したきっかけを教えてください。

研修医のときにさまざまな診療科を回ったんですが、やっぱり圧倒的にがんの患者さんが多かったんです。消化器内科、産婦人科、血液内科などいろいろな診療科がありますが、入院している患者さんの中にがんの方がいない診療科はほとんどありません。

私が研修医だった頃は今よりもがん医療が発達していなかったので、患者さんがかわいそうだなって思ったのが腫瘍内科医を目指したきっかけです。

当時、腫瘍内科は大学病院にはほぼ存在していなかったので、「腫瘍内科医になりたい」と思ったらがんを専門に扱う“がんセンター”に行くしかなかったんです。なので私も研修医の期間が終わった後は、がんの専門病院に行きました。

――大学病院にも腫瘍内科が増えてきているそうですね。

増えてきていることはうれしいですね、ただ腫瘍内科医は1300人程度しかいないですし、まだ設置していない大学病院も多いので、もっと良くなっていくといいなと思っています。

――「がん=死」というイメージを持つ人も少なくないですが、このようなイメージはどう思いますか?

そういうイメージを持ってしまうのも仕方がないと思いますが、実際は手術して5年以内に再発せずに治っている方も多いです。また皆さんの周りにも、案外がんを乗り越えた方って多いと思います。がんになったことがある方の中には、本当に身近な人にしか言っていない人も多いんです。

がんは2人に1人はかかる国民病なので、がんになっても動揺せず、隠さずに対応できる社会になってほしいと思っています。

確かに亡くなることも多いですが、がんになったら明日死ぬわけではありません。どんどん新しい薬ができているので、診断後すぐに亡くなるというより、年単位で元気な方が増えています。

そうなると、患者さんががん治療を受けながら、どういうふうに生きていくのかという部分が重要になってきます。

がん患者さんは見た目では分からないことも多いです。髪の毛の抜けない抗がん剤もありますし、髪の毛が抜けていてもおしゃれなウィッグをしていたら私でも分からないこともあります。普通の生活とほとんど変わりない場合も多いので、自分の周りにいても分からないことも多いと思います。

定期的に通院し、抗がん剤の治療は受けていても、そのくらい元気で、仕事もできるし、趣味もしながら生活できる。どういうふうに生活していくかは診療の中でも相談を重ね、大事にしています。

――作品の中でも外来のみで治療を進めている患者さんが多いですね。

今の抗がん剤治療は、およそ7割が通院です。治療の日はお休みや半休を取っていただきますが、翌日からはフルで働いている方も多くいらっしゃいます。

■ 「患者さんご本人が納得して治療を受けられるように」

――ドラマでは医師が患者さんの生活に寄り添う姿が描かれていますが、実際の現場ではどうですか?

腫瘍内科では進行がんを扱うことが多いため、一番問題なのは「どうやって生活していくか」という部分になります。

若い患者さんだと子供がまだ小さいことも多いですし、会社や親にどう説明するかが問題になったりもします。このような場合、定期的に通院するだけでも大変なんですよね。

治療ももちろん問題ですが、それ以外のことで悩みを抱えていることがかなり多いです。

――普段がんの患者さんと接する上で大切にしていることを教えてください。

患者さんご本人が納得して治療を受けられることです。自分が納得していれば後から後悔することが少ないと思います。何かあっても、患者さんご本人が後悔しないことが多い気がしています。

もちろん医学的・専門的な提案やアドバイス、おすすめはしますが、本人が納得して選べるようにすることも重要だと思います。

――この作品に携わることで伝えたいことはなんですか?

がんで苦しんでいる人は多いのに、それが社会に浸透していないと思っています。最近は芸能人の方がカミングアウトすることも増えてきましたが、苦しいことを言わないでいる人も多いです。

でもふたを開けてみると経験した人もかなりいるので、このような医療ドラマに「私もそうだった」と共感する人が意外と多いです。

なので、「こういう現実があるんだよ」と社会全体にオープンにできるようになるといいなと思っています。

また、がんになったことがない人でも、親せきや友人を含めてがんに関わらないで生きていく人は少ないと思います。そういう方も含め、がん治療の現場を知ってもらうことで、身の回りの人や自分ががんになったときに、ドラマで見たことが何かの役に立ったら良いと思います。社会全体でもがん医療について共有できたらいいと思っています。(ザテレビジョン)

最終更新:2/19(水) 6:30
ザテレビジョン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ