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かこさとし 民主主義を子ども時代から知ってほしい

2/19(水) 12:00配信

日経DUAL

『だるまちゃんとてんぐちゃん』(福音館書店)、『からすのパンやさん』(偕成社)などの絵本の著者として知られるかこさとしさん。2018年5月2日に92歳で逝去された、かこさんの遺志を継ぎ、講演や展覧会、未発表作品の出版などに携わっている長女の鈴木万里さんから見た、かこさんの姿、伝えたかったことを語ってもらう連載です。

【関連画像】2019年7月に行われた岐阜市ハートフルスクエアーGでの講演会で紙芝居『ぼくのかあちゃん』のエピソードを話す鈴木さん

かこさんがデビュー前に手掛けていた紙芝居で扱っていた3つのテーマは、その後の絵本作品にも引き継がれていきました。かこさんは何をテーマに、どんなことを伝えようとしていたのでしょうか? また、「セツルメント活動」というボランティア活動の中で、子どもたちに伝えたかったこととは。

●子どもたちのため紙芝居に設けた3つのテーマ

 かこさとしは絵本作家として活動を始める前、会社員として働きながら、セツルメント活動(生活の質の改善を目的にした、大学の学生や教員が中心になったボランティア活動)に参加していました。当時かこが手掛けていた紙芝居には、大きく分けて3つのテーマがありました。

 1つは子どもたちが大好きな動物。もう1つは民話のような昔話。そしてもう1つは子どもたちの生活に密着した話です。当時のかこは、子どもたちには最高のものを見せなければならないと意気込んでいたのですが、演劇研究会での経験も相まって、紙芝居でも起承転結やテーマ性を大切にするようになっていました。

 例えば動物を主人公にした紙芝居『うさぎのターちゃん』は、「違い」に着目したお話です。うさぎのターちゃんがフクロウと仲良くなったけれど、フクロウは夜行性だから遊ぶ約束をしても昼間はやって来ず、ターちゃんがそれに腹を立ててしまう。それで文句を言っていたら、お母さんにフクロウは夜行性なのよと聞き、そうだったのかと理解して、お互いの違いを理解したうえで仲良くしようね、となる。

 たわいもないストーリーですが、絵の描き方も凝っていましたし、子どもたちにはしっかり演じて見せていたので、大変好評だったと言います。

 子どもたちに密接な物事をテーマにした作品の1つに『ぼくのかあちゃん』という紙芝居がありました。

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最終更新:2/19(水) 12:00
日経DUAL

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