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中国が生んだ30歳の天才映画監督は何を語ったか──坂本龍一×ビー・ガン 『ロングデイズ・ジャーニー』をめぐって

2/20(木) 21:13配信

GQ JAPAN

2月28日に劇場公開される中国映画『ロングデイズ・ジャーニーこの夜の涯てへ』は衝撃の問題作である。これが2作目という中国の新鋭監督、ビー・ガンと、その作品に惚れ込んだ坂本龍一の対談が実現した。

【ふたりの対談をビデオで観る!】

坂本龍一が探る『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』とは

『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』は、映画史にのこる作品となるだろう。故郷である中国南部の町、貴州省凱里を舞台とした長編第1作『凱里ブルース』で世界的注目をあつめた1989年生まれの若きビー・ガン監督は、第2作となる今作でも凱里での物語を美しい映像におさめた。『凱里ブルース』の評判を聞きつけ、NYでの公開初日に今作を観て感銘を受けたという坂本龍一が東京でビー・ガン監督にインタビュー。映画談義に花を咲かせた─。

坂本:この映画を観て感じたのは、若者らしい「世界の映画をぶっ壊してやるぞ」という強いエネルギーでした。さぞかしギラギラした青年が現れるんだろうと思っていたんですが、実際にお会いすると落ち着いているというか、あまり野生味を感じさせない雰囲気ですね(笑)。

ビー・ガン:そういうふうに見られることも多いです(笑)。映画監督になる前、最初の仕事は爆破技師だったんです。いろんなものをぶっ壊して、すっと去っていく。そんな仕事に憧れていたんです。

坂本:ぶっ壊してやるという気持ちはもともと持っていたんですね。

ビー・ガン:はい。でも爆破技師は1日でやめてしまったんですが(笑)。

この映画を観ると、だれもが不思議な感覚に包まれるはずだ。ひとりの男がかつて愛した女を追い求めてさびれた町、凱里へとたどり着く。そこで待っていたのは、夢とも現実ともわからない世界。その美しく幻想的な映像に見入っているうちに、観客もまたどんどんその世界にひきずり込まれていく。とりわけ後半の3D画面への転換後、1シークエンスで描出される1時間は圧巻だ。それは映画を観ているというよりも、新しい映像体験の当事者として、その場に放り込まれてしまったような感覚といえるだろう。

坂本:この映画を観たとき、どうやったらこんな才能が生まれてくるんだろうと思いました。子供のころからたくさんの映画を観てきたのか、あるいはまったくちがうところで映像的感覚を磨いてきたのか。監督はどんな幼少時代を送っていたんですか?

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最終更新:2/20(木) 21:13
GQ JAPAN

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