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真木よう子「私はそんなに強くない」ギャップに葛藤した過去…娘の存在が女優としての原点回帰に

2/20(木) 5:00配信

ザテレビジョン

2001年に映画出演でデビューを果たし、今年2020年に女優生活20年目を迎える真木よう子。映画、ドラマをはじめ、さまざまな作品で存在感を発揮してきた彼女が、2月22日(土)に放送される特集ドラマ「ファーストラヴ」(夜9:00-10:59、NHK BSプレミアム)では、父親を殺した女子大生・環菜(上白石萌歌)と向き合う公認心理師の由紀役で主演を務める。

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劇中では、環菜や由紀が自身の悩みやトラウマと向き合っていく姿が描かれるが、真木はこれまでの女優人生で葛藤した時期、どうやって乗り越えてきたのか――。一番、葛藤していたという20代半ば、出産して娘を授かったことが大きな転機になったという。

■ 出産して娘を授かった今、分かることがある

「ファーストラヴ」は、第159回直木賞を受賞した島本理生の同名小説が原作。環菜と由紀のやりとりを中心に繊細な女性心理を巧みに描き、目に見えづらい“心の闇”を臨床心理の視点からひもといた作品だ。真木は脚本を読み、本作に「挑戦したいと思った」と打ち明ける。

「苦しいシーンはたくさんありますが、女性がある種救われて、次のステップに導かれていくという、女性ならどこかに必ず共感ができる物語だったんです」

劇中に登場する環菜と環菜の母・昭菜(黒木瞳)には親子の確執があり、ささいな心の行き違いからそれが深まっていく。真木は2人の関係性を見て、自身が子供だったときを回顧し、感情移入したと言う。

「自分が幼かった頃の親は、子供だった自分にとって、決してパーフェクトじゃなかったし、おそらく世間でも同じように感じている人は少なくないのではと思っていて。出産して娘を授かった今、分かることがあり、当時のことが理解できるようになりました」

環菜と環菜の母親をはじめ、さまざまなキャラクターたちがもがき苦しむ姿を通して、家族とは何なのか、愛情とは何なのかを問う本作。

「親に対してぬぐえない過去をもっていたりする方はもちろん、家族がテーマなので、多くの人が共感できる作品だと思います。終盤で由紀が昭菜にかけた、あるセリフは、私自身にも響きましたし、その言葉に救われましたね。

このドラマは、人が抱えているほんの少しの傷がどんどん膨れ上がって大きくなるという、ものすごく繊細な人間の感情が丁寧に描かれています。おそらく観終わった後にいろんなことを考えさせるドラマになっていると思うので、ぜひ観てほしいです」

■ 成長せざるを得ない機会を娘が与えてくれました

映画「ゆれる」、「さよなら渓谷」、「そして父になる」ではさまざまな賞を受賞し、フジテレビ「最高の離婚」「SP」など多くのヒットドラマに出演。女優として順調にキャリアを積み重ねてきた真木だが、20代前半から半ばは日々もがき葛藤していたという。

「大根(仁)さんに見つけてもらい、2008年に『週刊真木よう子』※をやらせていただいた頃、いわゆる“ザ若者の悩み”みたいな感じで、自分が考える“真木よう子”と、世間に求められる“真木よう子”に開きがあって。私はそんなにクールではないし、強くもない。世間とのイメージのギャップに悩んでいました」(※真木よう子が主演を務めたオムニバス連続ドラマ。テレビ東京ほかで放送)

知名度が徐々に上がりはじめ、芝居以外にやらなければならないことが増えたことも、葛藤に拍車をかけた。

「『お芝居が好き』という純粋な気持ちでこの業界に入ったはずなのに、自分の思い描いたものと違い、なんとも言えない感情があって。当時は責任感が弱かったので、『やだ。もう辞めたい』という思いが大きくなり、頑張ろうともしない最悪な時期でした。ただのわがままですよね。今考えると、責任があるのとないのではこんなに違うのかと思うくらい、気持ちが弱っていました」

そんな葛藤していた日々を乗り越えるきっかけになった転機が、26歳での出産だった。

「否が応でも“生かしていかなければならない命”が誕生したことによって、『お仕事を頑張ろう』という気持ちが芽生えて。そこからいろんなものが変わってきた気がします。『娘のために頑張るのか?いやそれは違う』と悩み、そこで出た答えが『お芝居を好きになろう』と、そういう原点に自分を戻せて。ずっと女優をやってきたし、よく考えたらこれでしか食べていけない。成長せざるを得ない機会を娘が与えてくれたんだと思います」

その後は大河ドラマ「龍馬伝」(NHK総合)をはじめ、さまざまなヒット作に恵まれ、女優として再び花開いていく。

「仕事に対する意識が変わったあと、入ってくるお仕事がほんとに良い作品ばかりで、すごく恵まれていました。神様がいて『この子を育てるためにちゃんと頑張りなさい』と言われていたのかもと感じるくらい、ありがたいことに名前を知っていただけるような作品やCMが決まり、多くのステキなチームに参加させてもらえて。成長できた時期だと思います」

■ 『許せる』ようになったら、何が起こっても対応できるようになった

そんな20代を経て、30代を駆け抜けてきた真木。「30代前半は、まだ20代のような気がしていました。大人な人もいるとは思いますが、私は全然違って(笑)。色んな事に悩んでいましたね」と苦笑いする。そんな時期、人との関わり方で「許す」ことを覚え、気持ちが楽になったという。

「ものすごく信頼していた人がそうではなかったりすると、自分が傷を負ったり、相手を傷つけたりして。いろんなことがある中で『許す』ということができず、前に進めない時期があったんです。

だけど、『許す』ということを身につけたら、何が起こっても対応できるようになって。自分が何かを言われて、それが気に入らなくても、そんなに気にならなくなりました。今になってようやく『大人ですか?』と聞かれたら、『はい、大人です』と答えられるようになったと思います」

取材中も自然体な様子で、豊かな表情と共に自身の思いを素直に発していく真木。そんなナチュラルさは女優としても一つの武器だろう。女優として仕事をしていく上で大切にしていることを聞くと、そんな一面が垣間見える回答が返ってきた。

「撮影現場は毎日行く場所なので、居心地の良い場所にするように、現場ではいろんな人とコミュニケーションをとるように務めていて。スタッフさん、共演者関係なく声をかけて、全員と仲良くなるということを心がけています。

もともと楽しいことや笑うことが大好きなので、気の合う方たちとふざけて騒いだりすることも、現場に行く糧になるんです。重い作品でも、暗くふさぎこむのではなくて、明るくしてみんなが居やすい環境を作るようにしています」

これまで様々な役を演じてきた真木に、今後挑戦したい役を問うと、「地上波ではイメージがついてしまうので、願わくは映画や動画配信など選んで観ていただける作品で」と笑いながら前置きしつつ、「とんでもない猟奇的な殺人者やサイコパスな役柄を演じてみたい」との答えが。

「最近、正義感の強い役が続いていて。そういう役で声をかけていただくのは、そういうイメージがあるということなので、ありがたいことですが、ただその真逆の役をやってみたいですね」

今後見られるであろう、真木の新たな一面に期待したい。

■ なぜ父親を殺してしまったのか――「ファーストラヴ」あらすじ

公認心理師の主人公・由紀(真木よう子)は、出版社から話題の「女子大生の父親刺殺事件」のルポの執筆依頼を受ける。

容疑者・環菜(上白石萌歌)が取り調べで「動機は見つけてください」と警察に言ったことで、波紋を呼んだ事件だ。

環菜の国選弁護人で、由紀の義弟でもある迦葉(平岡祐太)からも協力を請われて、由紀は環菜と面会し、カウンセリングのような形で、環菜の家族に何があったのかを突き止めようとする。しかし、環菜は正直に話しているかと思えば、嘘を言い、時には感情を露わにして、由紀を翻弄する。環菜の心に触れることは、由紀自身の辛い過去と向き合う作業でもあった。

真相を探る中、明らかになる環菜と殺された父親、さらには母親・昭菜(黒木瞳)とのゆがんだ親子関係。隠され続けた家族の秘密。そして、環菜はついに「初恋」について語り始める。果たして環菜は、本当に父親を殺したのか。由紀がたどり着いた真実とは――。

特集ドラマ「ファーストラヴ」は2月22日(土)、夜9:00-10:59、NHK BSプレミアムで放送。(取材・文=高山美穂)(ザテレビジョン)

最終更新:2/20(木) 5:00
ザテレビジョン

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