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コンビニ無人店舗の普及の条件

2/21(金) 5:00配信

商業界オンライン

  コンビニ各社はデジタル技術を使った「無人化」「省人化」店舗の実験を矢継ぎ早に行っている。これが次世代コンビニのビジネスモデルになるのか、各社の取り組みとコンビニ無人店舗が日本で普及していく条件を解説した。

 経産省の「新たなコンビニのあり方検討会」は2月10日に報告書を発表し、コンビニのビジネスモデルの変革を促している。

 24時間営業問題などが社会的な関心を集め、経産省は「新たなコンビニのあり方検討会」の設置を行ったわけだが、このようなコンビニの矛盾が社会的に浮上した原因は、経営環境の変化である。各社横並びのビジネスモデルは煩雑で手間のかかる物販以外のサービスを増やし続けてきたが、その間に人手不足は深刻化し、店舗数の増加とともに競争は激化していった。

 人手不足の中でコンビニバイトは敬遠されて募集しても集まらず、オーナーの負荷が重くなり疲弊していった。競争の激化は低採算店を増加させ、24時間営業問題、食品の廃棄問題、ロイヤルティのあり方まで不信の目で見られるようになった。

 一時期のコンビニ礼賛論は消え、コンビニ各社に横並びのビジネスモデルから多様なビジネスモデルへの変革を待ったなしで迫るものとなった。

コンビニ各社が実験競う

  コンビニ各社は人手不足の救世主として、デジタル技術による「無人化」「省人化」の実験に積極的に取り組んでいる。

 実験に取り組んでいるデジタル技術の一つがAI発注だ。セブン‐イレブン・ジャパンは1月31日からAI(人工知能)発注の試験導入を千葉県内の1100店舗で始めた。2021年2月期中に全国展開する予定だ。

 二つ目は無人・省人化店舗の実験だ。ローソンは2月26日から5月25日までの予定で、川崎市幸区の富士通事業所内に「富士通川崎TSレジレス店」をオープン。デジタル技術を活用し、レジを通らずに買物ができる「レジ無し店」の実証実験を行っている。同店で実験するのは、専用アプリに表示されたQRコードを店頭にある端末にかざして入店し、購入したい商品を手に持って店外へ出ると、事前に登録した決済手段(クレジットカード)で自動的に決済できるというものだ。

 ローソンはこの店舗で、システム・店舗オペレーション・防犯・物流面の課題、売上げの推移、お客の声などを検証した上で、今夏には新たな店舗で一般のお客の利用を検討している(現在は富士通 新川崎テクノロジースクエアに勤務する従業員専用の店舗)。

 この店舗では富士通研究所が開発した手のひら静脈と顔情報のみで本人を特定する「マルチ生体認証技術」を導入し、手ぶらでの買物を実現するが、こうしたデジタル技術によるレジ精算の「無人化」「省人化」の実験はコンビニ各社が競うように行っている。

 セブン‐イレブン・ジャパンは18年12月27日、NECが入居する東京港区の三田国際ビルの20階に顔認証により財布なしで買物ができる店をオープン。19年10月24日にはデジタル推進の協業パートナーであるNTTデータと六本木にあるNTTデータが展開するデザインスタジオ「AQUAIR」内の店舗で「レジ無しデジタル店舗」を実験している。

 ファミリーマートは19年4月2日、横浜市都筑区のパナソニック佐江戸事業場内の「ファミリーマート佐江戸店」で「顔認証決済/物体検知」など7つのソリューションを導入し、無人販売を実施。19年10月9日には、足立区に深夜時間帯に完全無人営業となる店舗「ファミリーマート本木東町店」を直営店で出店している。

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最終更新:2/21(金) 15:21
商業界オンライン

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