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アカデミー受賞!映画『ジュディ 虹の彼方に』――ジュディ・ガーランドが彼女を演じたレネー・ゼルウィガーに与えた影響

2/21(金) 20:20配信

ハーパーズ バザー・オンライン

 レネー・ゼルウィガーがルパート・グールド監督による『ジュディ 虹の彼方に』で主役を演じる。この作品で、今年、アカデミー賞主演女優賞を受賞した。共演者は『ワイルド・ローズ』(2018年)で主役を演じて大評判だったジェシー・バックリーだ。

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この映画の中核になるのは、1969年の彼女の死の数ヶ月前にロンドンのウエスト・エンドにあるトーク・オブ・ザ・タウンで数回にわたり開催されたコンサートだ。彼女は子供の頃からの薬物依存と働き過ぎの影響で非常に弱っていた。手持ちの金も少なく、この先何の予定も無く、家と呼べる場所も無い状態だった。

しかし彼女の“見事に大胆な情念”は『イブニング・スタンダード』紙で絶賛された。『ザ・ステージ』紙は彼女を“真心と愛情と情熱と笑いと涙で完全に充電されたガーランド”と称し、『フィナンシャル・タイムズ』紙は“ポピュラー音楽界のマリア・カラスだ”と称賛した。『タイムズ』紙は“劇場に起こる魔法というものの定義は何かと聞かれれば、これだと言うしかない”と書いている。この時のコンサートは、トーク・オブ・ザ・タウンの歴代のコンサートの記録をすべて塗り替えている。

 ゼルウィガーもバックリーもガーランドのことが小さい頃から大好きだったと言う。彼女の才能と共感力と勇気に力を貰って生きてきたと声を揃える。

「映画の製作過程は、皆で協力しながら彼女へのラブレターを作っているようだった。これほど愛され、小さい頃から最高のレベルの仕事をしてきた人の人生がこう言う形で終わるとは想像し難い。金銭的にも、仕事面でも、自身の性格に対してもこれほど苦労していたとは。何事も諦めずに多くの問題に直面してきた彼女が手にし得たものを賞賛せずにはいられないし、尊敬しかないんです」と。

 バックリーもガーランドの演技の手法と人生に大変動かされたと言う。しかしバックリーはより慎重だ。

「自分の弱さを徹底的に露わにし、誰にでも与える強さは非情とも言える」と彼女は言う。「彼女のことを知れば知るほど私は“これほどまで透明に生の自分をオープンにして傷つかないでいられるのだろうか、もし私だったらどうやればこのようになれるのだろうか”と思うのです」

 グールド監督は、ガーランド自身が自分の性分に反するように行ったように、そしていかに彼女が歌詞の中心に自分の命を置きながら、同時に全く逆の性格を演じられたのか、演じると言う気持ちをクローズアップで捉えられるような映画を作りたかったと語る。

スターという存在は不思議なものだと彼は言う。「与えられた才能がその身を離れる時、それが薄れる時に、より優美になる……」。女性であり母親であるガーランドの姿を見せることで、より人間味あふれる描き方をしたのだ。

「彼女の率直で無作法な性格を描いたが、今でもまだとても近いところに彼女を感じる」と続ける。「この映画を見て、多くの人々がガーランドの映画や音楽を改めて見てくれることを願っている。そしてこれから彼女に出来ることは何なのか、想像してもらいたい」と締めくくった。

Translation: Naoko Sugiyama From Harper's BAZAAR UK October 2019

最終更新:2/21(金) 20:20
ハーパーズ バザー・オンライン

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