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衰退の「春日部」、好調な「越谷」…隣接町の明暗をわけた原因

2/21(金) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

人口減少の局面になり、厳しさが増す不動産投資。今後、どこが投資エリアとして有望なのか。不動産投資には欠かせない要素である「人口」や「不動産取引の現状」などをもとに、検討していく。今回紹介するのは、埼玉県の「春日部」と「越谷」。

春日部…連続立体交差で「開かずの踏切」が解消!?

先月、埼玉県と東武鉄道は、春日部駅付近の連続立体交差事業において、費用負担や事業の役割分担などを取り決める施策協定を締結した。春日部駅は地上駅で東西を自由に行き来できる通路はなく、市内が鉄道網で分断されている。立体交差事業が進むことで、衰退が進む中心市街地の活性化につながるのではないかと期待されている。

元気に欠ける春日部市の一方で、勢いを見せるのが隣の越谷市だ。大きなきっかけとなったのは、2008年、国内最大級のショッピングセンター「イオンレイクタウン」の開業。商業施設と駅の開業により、周囲も発展し、今では住みたい街(駅)ランキングでも上位に入るほどだ。

今回は、そんな二つの街(駅)を、不動産投資の観点で比較しながら見ていこう。

春日部市は埼玉県東部に位置し、人口規模はさいたま市、川口市、川越市、所沢市、越谷市、草加市に次ぐ7番目。春日部市役所によると、市名の由来は諸説あるが、平安時代の末ごろから春日部氏という武士が住んでいたという説が有力とされている。

江戸時代には日光街道粕壁宿の宿場町として栄え、明治22年市町村制施行に南埼玉郡粕壁町、昭和29年町村合併促進法に基づき、春日部市が誕生した。高度成長期には東京のベッドタウンとして発展し、平成17年に庄和町と合併し現在の春日部市に至る。

そんな春日部市の中心となるのが、前述の「春日部」駅だ。東武鉄道伊勢崎線(東武スカイツリーライン)と東武鉄道野田線(東武アーバンパークライン)が交差した接続駅だ。伊勢崎線は東京メトロ半蔵門線と直通運転をしており、平日通勤時間帯であれば1時間強で都心の「大手町」駅にアクセスできる。また「大宮」には20分強の距離感である。

駅東口エリアは、旧粕壁宿があった場所で商店街が広がっているが、お世辞にも賑わっているとは言い難い状況だ。かつて東口には「ロビンソン百貨店春日部店」があったものの、2013年に「西武春日部店」に転換。2016年には撤退し、跡地は高級家具販売の「匠大塚」となっている。駅西口エリアにはショッピングモール「ララガーデン春日部」と「イトーヨーカドー春日部店」があるが、駅周辺の道路交通事情は悪く、客足は鈍い。立体交差の早期実現が待たれる。

一方、越谷市は春日部市の南に位置し、埼玉県下で5番目の規模。「こし」は山や丘のふもと、「や」は湿地など低い所を指し、「大宮台地の麓にある低地」からその名が付いた、というのが有力な説となっている。

江戸時代は、日光街道の越ヶ谷宿として栄えた宿場町であり、戦後の1954年の町村合併で越谷町、1958年に市制施行されて越谷市となった。東武伊勢崎線が東京メトロ日比谷線と直通運転を開始してからは東京のベッドタウンとして発展し、1976年に人口は20万人を突破、1996年には30万人を突破した。

そんな越谷市の中心的存在が、東武伊勢崎線「越谷」駅である。都心まで40~50分でアクセスできる立地で、隣駅の「新越谷」駅ではJR武蔵野線「南越谷」と接続し、多方面にアクセスすることも可能だ。

駅東口エリアは越ヶ谷宿を由来とする商店街が広がっているが、近年は再開発が進行。再開発ビル「越谷ツインシティ」は高層マンションと商業施設が一体となった複合施設で、市内では一番高い建造物である。

また市役所や市民会館などの最寄り駅で、長らく越谷市の行政・商業の中心をなしていたが、レイクタウンの開業の影響もあり、2009年には「イトーヨーカドー越ケ谷店」が閉店。中心市街地の空洞化が進行したが、駅周辺の再開発により、その流れに歯止めがかかっている。

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最終更新:2/21(金) 11:00
幻冬舎ゴールドオンライン

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