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「反日種族主義」NHKキャスターはこう読んだ〈未来志向の歴史観が韓国から出てきたことの大きな意味〉/池畑修平――文藝春秋特選記事【全文公開】

2/21(金) 6:00配信 有料

文春オンライン

 韓国における「反日」の、「終わりの始まり」かもしれない。

「反日種族主義」に対する感想を一言で述べよと言われれば、個人的にはそう答えるであろう。希望的観測を込めて。韓国の歴史教育における日本の植民地支配に関する定説を次々と否定していく、その内容が読者に与える強烈なインパクトもさることながら、それ以上に、この本が韓国でベストセラーになったという事実が、よりいっそう、そうした予感を抱かせる。

 何しろ、韓国において日本に植民地支配された歴史に関する定説に異を唱えることは、長年、容易ではなかった。韓国の憲法からして、前文にこうした一節がある。

「悠久の歴史と伝統に輝くわが大韓国民は、3・1運動により建設された大韓民国臨時政府の法統を継承する」

 3・1運動は、1919年に日本の支配に抵抗して独立を求めた運動を指す。つまり、国家の土台を成す憲法に、日本に対する抵抗の歴史が誇らしく刻まれているわけだ。1945年の解放から国交正常化を経て現在に至るまで、自ずと日本の統治を「全否定」する風潮が定着したのも無理はない。

 そうした韓国において、ソウル大学の李栄薫元教授をはじめ6人からなる執筆陣がまとめた「反日種族主義」は、タイトルも内容も、私のように韓国に多少なりとも関わってきた日本人からすると「大丈夫か」と心配になってしまう。なぜなら、韓国において研究者らが「反日」に異を唱えることは、大袈裟ではなく、社会的に抹殺される恐れを伴うためだ。日本に支配された歴史に対する異論に現在よりもさらに不寛容であった10年前、いや5年前でも、執筆陣は強烈なバッシングに曝され、本の取り扱いを拒む書店が続出したのではないかと思う。 本文:5,397文字 写真:4枚 代表執筆者の李栄薫氏 (c)文藝春秋 池畑修平氏 迷走を続ける文在寅大統領 (c)共同通信社 日本でもベストセラーに

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池畑 修平/文藝春秋 2020年2月号

最終更新:2/21(金) 6:00
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