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医師の平均時給はいくら?現場の声「お金よりも労働時間が…」

2/24(月) 11:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

給料よりも「労働時間の改善」がミソ

では、具体的にどのような方法をとればよいのでしょうか。労働環境を改善するためのポイントとしては、第一に「労働時間の見直し」が大切になります。

「残業時間が多過ぎる」「休憩時間がなかなか取れない」クリニックに限った話ではありませんが、このように労働時間が長い職場環境はスタッフから敬遠されます。歯科においてはスタッフの長時間労働が常態化しており、人材難の大きな原因のひとつとなっております。こうしたことから労働時間を改善するだけでも、スタッフの定着率は大きく違うはずです。

まず、シフト制を採用している場合には、早番制と遅番制を設けることを検討してみましょう。診療時間が9時から21時までの12時間であれば、そのうち9時から18時までは早番の人に入ってもらい、12時から21時までは遅番の人に入ってもらいます。このように早番と遅番の交代制を導入することにより、無理な残業をさせなくても、12時間の診療時間をじゅうぶんにカバーすることが可能となるはずです。

また、複数のパートでつなぐこともひとつの有効な選択肢になります。診療時間が12時間であれば、4時間勤務のパートを3人投入して「9時から13時まではAさん」「13時から17時まではBさん」「17時から21時まではCさん」などという形で、シフトを切れ目なく組むことが考えられます。

週休3日制を導入する日も近い?

さらに、1ヶ月単位の変形労働時間制を採用して週休3日制を実施することも、人材の定着を促すうえで大きな効果を期待できます。

1ヶ月単位の変形労働時間制とは、1ヶ月以内の期間を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間(特例措置対象事業場は44時間)以内となるように、労働日と労働時間を設定することにより、労働時間が特定の日に8時間を超えたり、特定の週に40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えたりすることが可能になる制度です。

この制度を採用することで、例えば以下のような週休3日制を実現することができます。

●月、火、水、木は勤務日で1日10時間働く。

●金、土、日は休み。

1日の労働時間が長くなっても「休みが1日増える」ことに大きな魅力を感じる人は少なくないはずです。また「ワークライフバランスの実現に資する」として、大手企業でも週休3日制を導入する動きは広がっています。医療業界ではまだ一般的ではありませんが、検討してみる価値は大いにあるでしょう。

成功例のひとつとして、横浜市の某医科クリニックのケースを紹介します。

このクリニックでは、徹底した患者優先の方針が掲げられており、前半は10時から15 時まで、後半は17時30分から23時までを診療時間としています。

歯科ではなく、医科のクリニックでこのように23時まで診療しているところは極めてまれです。本来であれば、スタッフから「こんなに夜遅くまで働きたくない」と不平不満が出ても不思議ではないでしょう。

しかしながら、ここでは週休3日制を導入しており、他のクリニックと比較してより多くの休日を確保しています。そのため、「勤務日の労働時間は長くても、休みが多いからメリハリをつけて働ける」というスタッフからの多くの支持を得ており、高い定着率を誇っております。あわせて給与水準が他のクリニックと比較して高いことも、スタッフ満足度を高める要因となっているようです。

患者満足度がスタッフ満足度に比例して、クリニックの業績は上昇を続けております。これは見習うべきケースのひとつであります。

同様に週休3日制を採用している川崎市の某歯科クリニックにおいては、他のクリニックにみられないシステムがあります。このシステムにより歯科衛生士に予約枠をコントロールできる裁量範囲を与えているのです。

具体的には、歯科衛生士が患者と緊密なコミュニケーションを取ることで、完全担当制を確立して、本人の出勤しない日には担当患者の予約を入れないことを徹底しています。反対にキャンセルが出た場合には、歯科衛生士自らがWeb上の予約システムにアクセスしタイムラグなくユニット枠を空欄に変更します。これを見た自分の患者が、その枠に来院しスケーリングをすることで無駄なキャンセル枠を排除しているのです。

髙田 一毅

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最終更新:2/24(月) 11:00
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