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新型コロナで日本を襲うサプライチェーン危機、中国リスクとは?

2/25(火) 7:00配信

日経ビジネス

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が中国のサプライチェーンに大きな影響を与え、国内でも工場の稼働を一時的に停止する企業が出てきた。日本企業は今後どのような影響を受けるのか。そして今回の問題は日本企業にどのような課題を突きつけたのか。経済産業省(旧通商産業省)で日米の通商交渉などを担当してきた細川昌彦氏(中部大学特任教授、元・経済産業省貿易管理部長)が解説する。

【写真】新型肺炎が中国のサプライチェーンに深刻な影響を与えている

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が中国のサプライチェーンに与える影響はかなり長引きそうだ。各地の工場が2月10日から操業再開に動き出したが、順調に立ち上がっているとは言えない状況だ。

 問題は4つある。まず、地方政府が工場再開の許可を出すのが遅れていること。続いて、春節で故郷に帰っている人など従業員全員が復帰するまでに時間がかかっていること。工場を動かそうにも生産に使う部品や材料の調達が十分にできていないことも問題だ。そして、上海港から物を持ち出せないなど物流が止まっている問題もある。中国の報道によると、地域差はあるものの、稼働率は約40%という。

 中国の工場再開の遅れは日本企業にも影響が出始めている。日本で使う材料や部品が中国から届かずに生産できなかったり、縫製工場が稼働せずに日本で売る衣料品の供給が滞ったりするだろう。中国の工場への部品や材料の納入もストップする。すでに地方の中小企業からは「中国への輸出に影響が出ている」との声も聞こえてくる。政府の対策も中小企業の当面の資金繰りに力点が置かれ、セーフティーネットの信用保証や貸し付けを打ち出している。

 訪日外国人の減少でインバウンド需要が急減するだけでなく、生産面でも多大な影響は避けられない。2019年の消費増税後の需要減少で打撃を受けた日本経済にとっては「泣きっ面に蜂」だ。過剰債務問題と米中貿易摩擦に続いて新型コロナウイルスの問題が発生した中国は三重苦にあえぐ。中国の経済はまさに正念場の「国難」と言える状況だが、日本も人ごとではない。

 日本のシンクタンクが新型肺炎の日本経済に与える影響の試算を発表している。どういう前提か定かではないが、新型肺炎の影響が1年続く場合など非現実的な想定はいただけない。いずれにしても、当然のことながら産業によってサプライチェーンに与える影響などの状況は大きく異なるので、ここではいくつか代表例を取り上げてみよう。

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最終更新:2/25(火) 7:00
日経ビジネス

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