ここから本文です

知っておきたい お城にまつわるコトバ

2/27(木) 14:12配信

旅行読売

【城の種類】
 大きく分けて山城(やまじろ)、平山城(ひらやまじろ)、平城(ひらじろ)の3種に分かれる。自然の地形を生かして山を要塞化する実戦的な山城は、戦が絶えなかった中世から戦国時代に多い。高地に堀や土塁を設け、曲輪(くるわ、後述)の中に建物を造った。攻めづらく守りやすい反面、資材や物資の運搬が難しく、麓に居館を構える城が多い。春日山城、岐阜城が該当する。
 平地に造られる平城は、戦乱の世が終息しつつあった戦国時代末期から江戸時代に多い。守備を固めるために石垣や堀を設け、高層建築である櫓(やぐら)、権威のシンボルである天守を配した。ここを政治的な中心にして城下町が形成され、当時からの町割が残る現代都市も多い。松本城、名古屋城が該当する。
 丘陵地に造られる平山城は山城と平城の両方の特徴を持つ。熊本城、姫路城が該当する。海岸や湖畔に造られ、水軍に優れた水城(みずじろ)は平城に含まれる。

【櫓・天守】
 櫓は見張り、防備、倉庫を目的とした高層建築で、矢倉とも書く。このうち城主が指揮をとる天守は城の中心、本丸(後述)に造られた最高層の櫓のこと。安土桃山時代以降、石垣とともに広まった形式で、一説には織田信長の安土城が初の本格的な天守(天主)であり、これを手本とした織田・豊臣系の城に多い。天守は城主の権威のシンボルという意味合いも大きい。江戸時代、天守建造を許されず、三階櫓を代用した藩もあった。江戸時代以前から現在まで残る現存天守は12城ある。

【石垣】
 中世は土を盛った土塁の城ばかりだったが、水に流され崩れる脆弱性があり、安土桃山時代から土の側面を石積みで補強する石垣の城が現れた。石垣で補強した土台の上に高層建築物である櫓を造ることでさらに防御力が増した。石垣と櫓の普及によって、日本の城郭の構造は劇的に変わった。
 石垣の積み方は石材の加工具合によって3種に分かれる。自然石をそのまま積む「野面積(のづらづみ)」から急速に発達し、安土桃山時代には主要石の角や面を成形して間に小石を詰める「打込接(うちこみはぎ)」、江戸初期には石を事前に加工して隙間なく積み上げる「切込接(きりこみはぎ)」の工法が生まれた。このほか、隅部分に直方体の石を交互に積み強度を出す「算木積(さんぎづみ)」もある。これらを組み合わせる城、時代により積み方が異なる城もある。

【曲輪(郭)・本丸・二の丸】
 曲輪は土塁や石垣、堀でスペースを区切り、平らに整地した空間で、ここに建物や兵を置いた。日本の城は敷地を複数の曲輪で区切るのが基本。名称の由来は山上を平地にすると丸い曲がった輪のような形になるためで、本丸や二の丸の「丸」の字に痕跡が残る。
 天守や御殿があり城の中心となる曲輪が本丸で、これを守るように隣接して二の丸や三の丸と呼ばれる曲輪を配した。こうした曲輪や堀、建物の配置を決める城の設計を縄張という。

※旅行読売4月号(2/28発売、特別定価650円)では、「美しき城へ 2020春」を特集している。

最終更新:2/27(木) 14:12
旅行読売

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事