GAFAのように世界レベルで展開しなくとも、ニッチ型のサービス基盤を提供し、多くのユーザー、供給企業と多様なビジネスを生むシステムづくりは可能だ。さらに多層化する国際経済においてすべての企業が自社自身でプラットフォームを構築する必要もない。「先行プラットフォーマーと巧みに連携しウィンウィンの関係を築くケースが増えている」と野村総合研究所の小宮昌人コンサルタントは指摘する。
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プラットフォーム企業との賢い連携法
(1)プラットフォーマーを顧客にする
(2)プラットフォームを使い販路を開拓する
(3)自社の新規事業開拓に利用する
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GAFAの一角、アマゾンを、東燃ゼネラル石油(現・JXTGホールディングス)は2017年に顧客化した。一般ドライバーがアマゾンで購入したタイヤの取り付け・メンテナンスなどカー用品関連のサービスを給油所で手掛ける。EC(電子商取引)展開するプラットフォーム企業の泣きどころはリアルの実店舗がなく、購入品の付随サービスなどまで手が回らない点にある。「取り付けにノウハウが必要なタイヤはECに不向きだったが、JXTGがこの弱点をカバーすることで、アマゾンとの連携関係を築いた」と小宮氏。車関連製品のネット購入が増えるなかで、JXTGには給油所に客を呼ぶ狙いもある。
上場企業ばかりではない。ロボット開発のベンチャー企業、MUJIN(本社東京都江東区、滝野一征社長)は17年に、アリババに次ぐ中国のECプラットフォーマー、京東に完全自動倉庫用のロボットシステムを納入した。この実績を基に本格的な中国市場も果たした。小宮氏は「MUJINのように、ニッチトップのとがった技術力を持った企業を大手プラットフォーマーは必要としている」と分析する。
ライバル関係にあるプラットフォーム企業と手を結んだのがトヨタ。自動車メーカーと車を共同利用するライドシェア企業は一見、不倶戴天(ふぐたいてん)の関柄にみえる。そこをあえてトヨタは、米ウーバーや東南アジア配車大手のグラブと、自動運転などの分野で提携関係を広げている。加えてソフトバンクと連携、同社を通じ中国・滴滴出行などとも手を結んだ。小宮氏は「ライドシェア企業は多くの契約ドライバーを抱えており、トヨタは大きな顧客基盤とみている」と指摘する。ウーバーとグラブ、滴滴の3社にはそれぞれ数百万人がドライバー登録し、自動車顧客も合計で1000万人に迫るという。
「トヨタの狙いは、自動運転システム提供やライドシェア専用車開発を通じて、パソコン業界におけるインテルのように全体に共通する基盤部分をを占めることだ」と分析する。トヨタ自身が展開するプラットフォーム「MSPF」へのデータ蓄積やサービス開発への応用も視野に入れている。
米中の大手プラットフォーマーではなく、新興国の地場プラットフォーム企業と提携したのがイオンモール。18年にインドネシアのゴジェックと幅広い提携関係を結んだ。同社は配車サービスを基にモバイル決済、デリバリー事業などを展開しておりベトナム、シンガポールなどへも展開している。
現地のイオンモールで、ゴジェックの決済サービスを利用した場合はキャッシュバックしたり、モール内にゴジェックドライバーのステーションを設置するなどしている。新興国のマーケット獲得には個々のサプライチェーン構築や顧客層のリサーチなどでの投資が避けられなかった。小宮氏は「現地の人々にとって生活基盤となっているプラットフォームを活用すれば、効率的な顧客網の獲得や製品展開が可能になる」と話す。
最終更新:2/28(金) 12:25
日経BizGate






























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