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中小企業のM&A「債務を継いで」でも「株式譲渡」を選ぶ?

2/29(土) 9:00配信

幻冬舎ゴールドオンライン

「株式譲渡」はM&Aで最も多く使われている手法ですが、他の手法と比較して何が違うのか、税金はどうなるのか、把握していない経営者が多くいます。そこで今回は、株式譲渡の基本について解説していきます。※本連載では、事業承継を控える経営者に向けて、M&Aの基本を紹介していきます。

「株式譲渡」のメリットとデメリット

株式譲渡とは、自社の株式をすべて第三者となる買手会社に売却して、会社ごと譲渡するM&Aの手法のひとつです。

株式譲渡はM&A手法のなかで、中小企業が最も多く利用しています。他の手法では特別決議や債権者保護手続きが必要だったり、簿外債務を引き継いでもらえなかったりなど手続きが煩雑になるケースが多いのに対して、株式譲渡は比較的、手続きが簡単だからです。

また、事業承継で後継者がいないなどの問題で、M&Aを活用して株式譲渡をする中小企業が増えています。

株式譲渡には、いくつかのメリットがあります。

まず株式譲渡では売却益を得ることができます。しかし、売却益を得ることによって税金を納付しなければならない点は注意が必要です。

また事業承継を目的に会社を売却した場合、会社の経営を引き継いでもらえるので、そのまま会社を存続させることは可能です。なお、会社名はそのまま継続されるかどうかは買手会社の判断になりますが、設立してから長い期間の経っている会社の場合、ブランド力や伝統があるので、会社名を変更しないほうがメリットも多く、社名変更なしで継続される場合も多いです。

さらに株式譲渡では、株主総会の承認や債権者保護手続きが必要ないので、比較的手続きが簡単といえます。しかし株式の譲渡に制限がかかっている非公開会社の場合、少し手続きが異なるので注意が必要です。

一方で、株式譲渡にもデメリットがあります。まず「簿外債務などすべての債務を引き継ぐことになる」ことは、株式譲渡の一番のデメリットだといえます。実際に購入した後に知らない債務を発覚し、会社の経営に大きく影響が出るケースも多いので、事前にきちんと専門家に依頼して債務について調べることが大切です。

また会社を売却すると、原則として売手会社の経営者は20年間競争避止義務が発生するので、同じ事業内容ができなくなります。競争避止義務は契約書にもきちんと明記されています。

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最終更新:2/29(土) 9:00
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