ここから本文です

新型コロナ感染の懸念 歯科医院の5割が危ない理由

3/7(土) 16:00配信

NEWS ポストセブン

 予防歯科を中心にした小池歯科医院(神奈川・川崎市)では、治療器具を全てオートクレーブで滅菌処理しており、紙コップなどは使い捨てにしている。別掲の画像のように、治療器具が「滅菌パック」に入っていれば、オートクレーブで処理をしていると考えていいだろう。

 歯科医が治療の時に装着している薄手のグローブにも注意が必要だ。患者ごとに交換せず使い回しをしているケースや、グローブを装着した状態で手洗いをしているケース。これは両方ともNGである。前者はいうまでもないし、厚労省の指針によると、グローブで手洗いしても微生物が除去されず残っていたり、小さな穴が空いていたりすることが確認されているのだ。

 年齢が高い歯科医に多いのが、「繊細な治療だから素手で行う」というもの。しかし、手洗いはよほど入念に行わないと、汚れは落ちていない。

「すべての患者の血液、体液、分泌物などは感染する危険性があるものとして取り扱わなければならない」

 これはアメリカのCDC(疾病管理予防センター)が提唱する「スタンダードプリコーション」という、感染予防の基本原則である。エイズ・パニックが起きた教訓から、この「スタンダードプリコーション」の概念が生まれたという。

 今回、日本では、新型コロナウイルスに感染したことに気づかないまま多くの人に接触して、感染拡大を招いたケースがいくつも報告されている。歯科医院が感染拡大の温床となる可能性は十分にあるだろう。

 では現代医療では常識の感染予防が、なぜ日本の歯科医院で実施されないのか?

 歯科医の中には、保険の診療報酬の安さを主張する人もいる。だが、小池歯科医院の小池匠院長はこう指摘する。

「私は保険診療の範囲で、十分に感染予防はできると考えています。しかし、最新の高額な医療機器を導入した歯科医院は、多額の借金を背負うので、感染予防にコストをかけられないのでしょう」

 これまで、歯科医院の感染予防は、ほとんど問題視されてこなかった。理由の一つは、感染症の多くに潜伏期間があるので、歯科治療が感染原因として特定されていなかったことがある。

3/4ページ

最終更新:3/9(月) 12:32
NEWS ポストセブン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事