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日本郵政を堕落させたのは誰か? 〈巨大な「票と財源」を持つ組織は、なぜ顧客を食い物にしたのか? 〉/藤田知也――文藝春秋特選記事【全文公開】

3/9(月) 6:00配信 有料

文春オンライン

 信頼ある郵便局のブランドを悪用し、顧客の意向に沿わない保険をお年寄りに売りまくった日本郵便とかんぽ生命保険。その持ち株会社である日本郵政の新トップに1月6日、元総務相の増田寛也氏が就任し、信頼の回復に取り組む姿勢をアピールした。

 だが、顧客に不利益を与えた疑いのある問題事例が多数あると発覚した昨年6月以降も、同グループが事態の深刻さを理解し、自ら変わろうとする兆しを見て取ることはできなかった。むしろ問題事例をなるべく小さく封じ込め、幕引きを急いで営業再開にこぎつけようという姿勢のほうがめだった。

 そうした態度が端的にあらわれた事例をまずは紹介しよう。

 藤本聖子さん(仮名、40代)は昨年7月末、かんぽ問題を報じるテレビのニュースを眺めていた。問題発覚当初に「客のサインがあるから問題ない」と開き直っていた郵政グループは、7月に入ってから経営陣が謝罪し、「本格調査に乗り出す」と表明した。本来は家族の同席が必要な高齢者の保険契約で、郵便局員があえて子どもを同席させない事例があるとテレビで紹介されたのを見て、聖子さんは「うちも同じじゃないか」と思わずにいられなかった。

 81歳の母親が2016年に契約したかんぽの保険は、内容をよく理解できていなかったうえに、家族は同席せず、同席を求められた覚えもないと母親が言っている。そこで聖子さんが翌月にかんぽのコールセンターに電話して事情を伝えると、数日後、担当者が契約内容を確かめたうえで、こう返してきた。

「お客様の契約に問題はありません。家族の同席は『遠方に住んでいる』という理由でお客様が拒否され、お客様自身がサインもしています」

 しかし、この契約にも大きな問題が隠れていることは、あとになって判明する――。 本文:9,314文字 写真:3枚 頭を下げる(左から)日本郵便の衣川和秀社長、日本郵政の増田寛也社長、かんぽ生命の千田哲也社長 (c)共同通信社 “郵政のドン”鈴木康雄氏 (c)共同通信社 かんぽ生命本社 (c)共同通信社

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藤田 知也/文藝春秋 2020年3月号

最終更新:3/9(月) 6:00
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