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マスクの高額転売の禁止について考える(塚崎公義 大学教授)

3/13(金) 6:37配信

シェアーズカフェ・オンライン

マスクを大量に購入して高値で転売する人がいるようで、不愉快ですね。でも、転売を禁止すると困った事が起きるので、悔しいですが禁止はしない方が良いのです。その理由を考えてみましょう。

■経済を見るには暖かい心と冷たい頭脳が必要
経済を見るには、暖かい心と冷たい頭脳が必要です。「他人がマスク不足で困っている時に、高値で転売して儲けようなどと考える輩はケシカラン」と考える人は多いでしょうし、筆者もまったくそう思います。それは暖かい心の領域です。

しかし、本稿では敢えて暖かい心を封印して冷たい頭脳にフル回転してもらいましょう。そうすると「不愉快な転売屋ではあるが、禁止すると困った事が起きるので、禁止すべきではない」という事が見えてくるのです。

暖かい心を持った読者は、本稿を読んで不愉快になるかも知れませんが、そこは冷たい頭脳を鍛える訓練だと思って、読者も一緒に暖かい心を封印してお付き合いいただければ幸いです。

■本当に欲しい人が買えなくなるかも
人口が100人で、各自が毎日1枚マスクを買うとします。店には200枚のマスクがありますから、人々は毎日平和に暮らしていました。

ある時、新型肺炎が流行しはじめたので、人々は不安になり「10日分のマスクを買っておこう」と考えるようになりました。20人が買った時に店の在庫がなくなります。

そうなると、残りの80人はマスクが買えなくて困るわけです。新型肺炎の流行が加速してしまうかも知れませんし、持病でマスクが必要な人がマスクが入手できなくて困るかも知れません。

さて、人々が「マスクが10円ならば、10枚買いたいが、20円ならば2枚で良い」と考えているとします。

転売が禁止されていれば、何事も起きないでしょうが、転売が禁止されていなければ、10枚持っている人が転売屋としてマスクを20円で転売するようになり、全員がマスクを手にする事が出来るようになるでしょう。

持病の人にとっては「マスクが無い」という最悪の状態から、転売屋のおかげで、「高い金さえ払えばマスクが手に入る」という「最悪ではない状態」に「改善した」という事になるわけですね。

全員がマスクをする事で流行が抑えられるのであれば、それは日本国にとっても素晴らしい事ですね。悔しいけれど、転売屋がいたから事態が改善したと認めざるをえません。

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最終更新:3/16(月) 11:44
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