三菱UFJ銀行と東南アジアの配車最大手であるグラブ(シンガポール)との資本提携が報じられたのは2月下旬。日本経済に大きな影響を及ぼすのは、もはやGAFAや中国のBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)など米中のメガプラットフォーム企業ばかりではないことを示している。アジアで急成長するプラットフォーマーの中から、今注目すべき5社に焦点を当てた。
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アジア型プラットフォーム企業の特徴
(1)各国の規制が緩い
(2)既存業界とのしがらみが少ない
(3)地域のニーズに密着したローカライズ経営
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小宮氏は「地域に密着し、英語以外の東南アジア各国の言語で運転手と移動者の間でやり取りができるグラブチャット機能を開発したのが飛躍の原点」とみる。カンボジアの「Grabtuktuk」、インドネシアでは「GrabBajaj」、フィリピンは「GrabTrike」と各国の交通インフラ事情に合わせたアプリを供給している。
ハイテク技術でのグラブの強みは、1つのアプリでさまざまなサービスを提供する「スーパーアプリ」。まず配車サービスで顧客を獲得し、フィンテックを用いて暮らしに関わるサービスをつなぎ合わせている。ソフトバンクグループ、トヨタ、ホンダ、クレディセゾン、ヤマハ発動機……すでにグラブと資本、業務提携している日本企業は少なくない。アジア市場で展開するのに、欠かせないパートナー企業になりつつある。
2番手はグラブのライバル企業であるゴジェック(インドネシア)。2010年に創業し、配送や引っ越しを含む物流全般からポイントやクーポンの配信、買い物や家事の代行、修理手配、占い、寄付、フィットネス、レストラン予約、洗車、医療、料金の済などを提供するスーパーアプリを運営する。インドネシアの社会インフラ的な存在だ。
同社はシンガポール、ベトナム、タイにも進出した。創業者のナディム・マカリム氏は名門一族の出身で、インドネシアの教育・文化相だ。普段使いしていたバイクタクシーに可能性を見出しバイクに特化したサービスから始めたという。イオンモールが18年と協業体勢に入り、三菱商事、三菱自動車、三菱UFJリースとは資本・業務提携を結んでいる。
アジアのフィンテック業界地図を塗り替えつつあるのが、電子決済「サービス・ペイティーエム」を運営するワン97コミュニケーションズ(インド)。日本では「PayPay」へ技術提供していることで知られる。インドは日本と比べてモバイル決済に関する規制が緩いため銀行事業の免許をスムーズに取得できたという
16年に同国で高額紙幣が廃止された際には、現金支払いが困難になったために、ユ―ザー数が3億人超に増加した。小宮氏は「インドは銀行インフラが比較的整っておらず、銀行口座を持たない人も多い。その中で地元ローカルに寄り添った経営姿勢が成長を後押しした」とみる。
最終更新:3/13(金) 8:30
日経BizGate
































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