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新型コロナとの戦い「公務員」を切り捨て続けてきた日本のツケ

3/13(金) 7:01配信

現代ビジネス

二つの国難――ウイルスと脆弱な公共部門

 下の二つの図をご覧いただきたい。国家と地方の公務員の人数の推移を示したグラフである。

税務署があえて言わない、年金暮らしの人が「手取り」を増やす裏ワザ

 【図1】

 【図2】

 国家公務員は、2001年の約81万人から、2017年の約28万5000人へと7割近くも減少している。2004年には前年比で約15万人減、2007年には約26万人減と大きく減少しているのが目を引く。前者は国立大学の「国立大学法人」化、後者は郵政民営化に伴うものである。地方公務員の数も、一貫して減少を続け、17年間で4万人もその数を減らしてきた。

 バブルが崩壊した1990年代以降、公共部門の非効率性が厳しい批判にさらされてきた。そうした批判を受けて、民営化とアウトソーシング、正規雇用から非正規雇用への転換等、公共部門のスリム化という名の下、様々な「改革」が行われてきたのである。上の二つのグラフが示した、国家と地方における公務員数の顕著な減少は、「改革」の「成果」である。

しかし、近年、公務員削減に伴う弊害が露わになってきている。2019年の台風19号に際して水害に見舞われた東北地方の被災地では、ボランティア不足で復旧作業が進まず、関係者たちが「一日でも(ボランティアに)参加を」と、悲痛な叫びをあげていた。縮小された公共部門だけでは復旧作業を担いきれず、「ボランティア頼み」になっている実態を浮き彫りにする出来事であった*1
。子どもの虐待事案に対する児童相談所(児相)の不適切な対応も目立っている。父親の虐待の末に亡くなった栗原心愛ちゃんの事件が起きた千葉県柏市の児童相談所では、一人の児童福祉士が、年間約43.6人を担当していた*2
。総務省の調べによれば、地方公務員の中の非常勤・臨時職員の数は、2005年の約45万5000人から、2016年の64万5000人へと、11年間で20万人近く増加している。 2020年の2月には、深夜に「家を追い出された」と児相に駆け込んで来た少女を、宿直の仕事を業務委託しているNPOの非常勤職員が、追い返すという信じがたい事例も発生している。虐待への対応においても、公務員の削減と業務の外注化が災いとなっている。

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最終更新:3/13(金) 11:16
現代ビジネス

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