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櫻井よしこ/安倍総理よ、「国民を守る」原点に帰れ〈日本人は中国という「永遠の艱難」には決して屈しない〉――文藝春秋特選記事【全文公開】

3/16(月) 6:00配信 有料

文春オンライン

 中国・武漢で発生した新型コロナウイルス「COVID19」は、わが国のみならず全世界で猛烈な勢いで感染範囲を拡大しています。日々状況が悪化する中でウイルスなどに関する世界的権威である米国の疾病予防センター(CDC)は、米国でも流行は時間の問題だと発表しました。世界をパニックに陥れたパンデミックの最大の原因は、まぎれもなく武漢市をはじめとした中国共産党政府の稚拙な対応と情報隠蔽体質にあります。

 武漢ウイルスについては重要な指摘があります。中国科学院西双版納熱帯植物園などが2月26日までに発表した論文では、武漢ウイルスの発生源は華南海鮮市場ではないというのです。広東省広州の華南理工大学教授の肖波濤氏は2月6日に研究者向けのサイトに掲載した論文で、武漢ウイルスは海鮮市場から280メートルの近距離に位置する武漢疾病予防コントロールセンターから流出した可能性があると書きました。となれば、今回のウイルス禍は中国が作り出した災いということになります。にもかかわらず、中国政府は、後述するように、一切の情報開示に後ろ向きです。

 私はかねてより「中国という隣国の存在は、天が日本に与え給うた永遠の艱難である」と考えてきました。歴史上、日本を脅かす災禍の多くは中国からやってきましたが、とりわけ中国共産党政権の時代になってからはその傾向が強いと思います。

 中国共産党政権は、一党独裁であるがゆえに、中々、自らの非は認めません。責任は必ず他者に転嫁します。そうした中、国際社会には、日本も中国と同じ「加害者」であるかのような言説さえ生まれています。日本にとってまさに国難と呼ぶべき状況です。

 日本政府の初期対応も適切ではありませんでした。世界トップクラスの医療水準を誇る経済大国であるのに、迅速に対応できず、感染の拡大を招いてしまいました。政府の責任は重いと言わざるを得ません。

 この点についてさらに指摘する前に確認しておきたいことがあります。それは、武漢ウイルスを過度に恐れる必要はないという点です。致死率は0・6~2%程度とみられており、一般的なインフルエンザの0・1%よりも高いものの、2003年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の10%と比べればかなり低い。感染症の専門家によると、たちの悪いインフルエンザだと思えばいいと言います。

 ただ、今後、より高い致死率の新たな感染症に襲われる事態は十分に考えられるわけで、今回のような後手の対応では、日本の被害は計り知れないものになってしまいます。

 今回の事態により、日本という国家のかたちが「賞味期限切れ」になっていることが鮮明になったのではないでしょうか。私はこれを天の警告と受け止めるべきだと考えます。日本が国家としての姿を取り戻し、国民を守れるようになるために何をすべきなのか、考えてみましょう。 本文:8,299文字 写真:3枚 安倍晋三首相 (c)JMPA 多数の感染者を出した「ダイヤモンド・プリンセス号」 (c)共同通信社 櫻井よしこ氏

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櫻井 よしこ/文藝春秋 2020年4月号

最終更新:3/16(月) 6:00
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