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心愛さん虐待死事件で父親に懲役16年、謝罪を口にするも最後まで非は認めず

3/19(木) 12:01配信

ダイヤモンド・オンライン

 「お父さんにぼう力を受けています」――。千葉県野田市で2019年1月、長女の小学4年栗原心愛(みあ)さん(当時10)を虐待の末に死亡させたとして傷害致死などの罪に問われた父勇一郎被告(42)の判決公判が19日、千葉地裁で開かれ、前田巌裁判長は懲役16年(求刑・懲役18年)を言い渡した。心愛さんは17年11月、学校のアンケートに被告の暴力を訴え児童相談所が一時保護したが、同年末に被告の圧力で解除。事件後、野田市教育委員会が被告にアンケートの写しを渡していたことが発覚するなど、行政のデタラメぶりが浮き彫りになった。勇一郎被告は公判で反省は口にしたが、非を認めることはなかった。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

● 起訴内容認めるも内容は否定

 判決によると、被告は19年1月22日~24日、心愛さんに食事や十分な睡眠を取らせず、浴室に立たせ続けたり冷たいシャワーを掛けたりするなどの虐待を繰り返し、死亡させた。

 18年12月~19年1月には心愛さんに暴行して胸骨を骨折させたほか、妻にも暴行した。

 2月21日の初公判から事件を振り返ってみたい。

 被告は罪状認否で「争わない」と認める一方、「飢餓状態にしたり、ストレスを与えて衰弱させたりしたことは一度もない」「立たせ続けたり、冷水シャワーを掛けたりもしていない」と認否とちぐはぐな説明を展開。

 また「しつけの範囲を超え後悔している。未来のミーちゃんを見ることが楽しみだったが、自分でできなくしてしまった」「深く反省している」などと、謝罪と反省の弁も口にした。

 検察側は冒頭陳述で、一度離婚した被告が妻と復縁し、二女が生まれた後は心愛さんが疎ましくなり、気に入らないことがあればストレスのはけ口として虐待を繰り返したと指摘した。

 弁護側は起訴内容をおおむねで認めたが「しつけが行き過ぎたが、虐待は日常的ではなかった」と反論した。

 さらに「食事していなかったのは知らないし、させないよう(妻に)指示もしていない」と主張。死亡した当日は心愛さんがお漏らしをしたため、掃除させようとしたら暴れた。浴室でシャワーを掛けると崩れ落ち、呼び掛けに応答しなかったとした。

 アンケートにあった暴行はなかったし、傷害の事実も知らない。心愛さんは宿題を投げ出し、注意すると暴れた。妻への暴行は心愛さんへの暴行を止めるためだったとした。

 そして「逮捕以来、責任の重大性を痛感し反省を続けている」と訴えた。

● 悲痛な叫びにも表情変えず

 被告側の主張を要約すると、一切の虐待はなかったし、手を上げることはあっても娘を思うしつけの範囲。妻への暴行も心愛さんを守るためで「自分が正しかった」ということだ。

 検察側もさすがにこの陳述に対しては「日常的・継続的な虐待の末に死亡させた。残虐な行為を繰り返し、この期に及んで心愛さんに責任を押し付ける態度に、反省が認められるのか」と強い口調で非難した。

 証拠調べでは、被告の携帯電話に残されていたという、心愛さんが脱衣所で号泣している約5秒の動画が再生された。

 「わぁーん、わぁーん」。女の子の声が法廷に響き渡り、裁判員の1人がショックを受けたためか泣き始めても、被告が動揺するような気配はなく、ただ静かに聞き入っていた。

 同25日の第2回公判も、被告の携帯電話などに保存されていた動画が再生された。18年7月に撮影された動画は、屈伸を続けるよう命令され、苦しそうに「ママ、助けて。お願い」と悲痛な声を上げていた。玄関で土下座させられる姿もあった。

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最終更新:3/19(木) 13:35
ダイヤモンド・オンライン

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