ここから本文です

東京新聞が掲げる「権力監視」「地域密着」

3/21(土) 16:25配信

創

年末年始の1面トップは独自ネタ

「年末年始の10日間、全国紙と同じネタを1面トップにしたことは一度もありません」
 そう語るのは東京新聞の臼田信行編集局長だ。話を聞いたのは1月9日。12月29日からその前日まで、同紙は独自ネタで1面トップを飾っているというのだ。
 12月31日が「寅さん見てますか 和菓子店継ぎ奮闘」、1月1日は「銀座の高架道路廃止へ」。そして3日は「辺野古技術委員に570万円」。同紙が前年から続けているシリーズ「税を追う」の一環だ。沖縄・辺野古問題には力を入れており、7日のトップも「辺野古工費膨張 技術委員 設計業者から報酬」だった。
 原発や辺野古の問題を追い続けてきた同紙は、さらに今年、環境問題を追うシリーズ「地球異変 すぐそばの温暖化」を1月4日にスタートさせた。初回の見出しは「東京湾 南海の光景」だ。
「2020年は世界の都市が核廃絶の期限とした節目の年で、被爆地や市民の思いを伝える連載も通年で予定しています」(臼田編集局長)
 権力監視はジャーナリズムの基本的役割だが、東京新聞はその姿勢が鮮明だ。
「原発再稼働の動きがまだしぶとく残る中で、脱原発の報道も従前どおりやっていこうと考えています。去年は『原発のない国へ』という連載を続けていたんですが、その延長線上で今年は『地球異変』を、身近な問題として考えていきたい」(同)
 もう半年以上、「桜を見る会」をめぐる問題で安倍政権が批判を受けているが、実はその端緒となったのは東京新聞の記事だった。昨年4月13日に「桜を見る会」が開かれた3日後の4月16日、東京新聞は特報面に「『桜を見る会』何のためか…与党の推薦者多く 経費は税金、近年増加」という記事を掲載していた。それを目にした共産党議員が国会で質問を行ったのが一連の問題の発端だった。
 東京新聞はそれを継続して追及することを怠っていたとして、特報部長がコラム「南端日記」で反省の弁を語った。
「特報部長が自戒を込めて書いていましたが、今のメディアは次から次にいろいろなことに飛びついて、継続して追うことができていない面がある。辺野古の問題もそうですが、権力監視はしつこくやらなければだめだと思います」(同)
 東京新聞は、名古屋に拠点がある中日新聞社が首都圏で発行している新聞だ。
 中部地方では中日新聞が圧倒的なシェアを誇るが、首都圏は全国紙との激戦で、独自性が必要だ。冒頭に書いた1面トップに何を据えているかというのは、その意識の現われだ。
 ちなみに「桜を見る会」の問題を最初に指摘した特報面とは、特別報道部という部署が担当している見開きページで、東京新聞の名物だ。独自に掘り下げた調査報道をデイリーの紙面で展開するという、新聞界でも独特のものである。

1/5ページ

最終更新:3/21(土) 16:25

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事