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文春オンライン3億PV突破文藝春秋の新たな試み

3/21(土) 17:00配信

創

沢尻エリカ逮捕で文春オンライン3億PV突破

 2019年もスクープを連発して存在感を示したのが『週刊文春』だ。
 菅原一秀前経産大臣と河井克行前法務大臣と、2週続けて重要閣僚を辞任に追い込んだ。さらに12月19日号「安倍首相補佐官と美人官僚が山中ノーベル賞教授を“恫喝”した京都不倫出張」では、安倍政権の中枢にいる和泉洋人首相補佐官のスキャンダルをスクープした。和泉補佐官と厚労省の女性幹部が不倫関係にあり、補佐官の権力を背景にした女性幹部の意向が通ることで厚労行政が歪められているという告発だ。
 ただ一方でP17に掲載したABC協会の雑誌公査部数を見ると、同誌でさえ部数を落としている。いかに紙の雑誌が売れなくなっているかを示すものとしてそれは業界でも語られているのだが、週刊文春編集局の新谷学局長はそれについてこう語った。
「紙の部数だけでメディアの価値を判断する時代は終わっているのではないですか。スクープを飛ばすことで雑誌のクレディビリティが高まり、ブランド価値が上がることでデジタルの収益にも跳ね返る。紙とデジタルとトータルで評価しないとメディアとしての戦略を誤ることにもなりかねません」
 一つの指標は、2019年の「文春オンライン」の伸びだ。文藝春秋には「週刊文春デジタル」と別に、『週刊文春』以外の同社媒体のコンテンツも載せている「文春オンライン」というデジタルサイトがある。
 その文春オンラインが2019年4月から週刊文春編集局に移ってきた。その結果、何が起きたかというと、新谷編集局長がこう語る。
「それまで文春オンラインの月間PVは大体5000万、最高でも6000万台でした。当初は1億PVが悲願だったのです。それが4月にいきなり1億PVを超えました。そして10月に2億PVを突破し、『東洋経済オンライン』を抜いて、出版系のニュースサイトでトップに立ちました。11月にはさらに伸ばして3億PVに達したのです」
 PVに応じて広告料が支払われるから、これはかなりの収益になりつつあるといえる。
「これだけ伸びた要因は、『週刊文春』編集部の意識が変わったことが一番でしょうね。もともと『週刊文春デジタル』では紙には載らないオリジナルの記事を文春オンラインに出していましたが、紙の編集部の方は、頼まれたから記事を出すという感覚でした。それが4月以降、自分たちのメディアだという意識になった。紙の収益が減っている分、文春オンラインを使って稼ぐということです。
 沢尻エリカ逮捕についても、11月15日夜に彼女がクラブに行くという情報をつかんで現場を取材し撮影もしたのですが、結局16日土曜日の朝に逮捕された。以前なら、その記事は翌週木曜の『週刊文春』に載せるため、発売前日水曜夕方の文春オンラインへのスクープ速報まで待つはずでした。でも今回は加藤晃彦編集長の判断で逮捕された土曜日にすぐに配信しました。世間の関心が高いタイミングで流そうと考えたのです。
 それとあわせて、2012年5月に『週刊文春』では彼女が薬物中毒だと断定的に書いた記事を続けて掲載していたのですが、当時の記事を次々と文春オンラインに載せました。7年半も前にそう報じていたと示すことがクレディビリティを高めることにつながるという判断もありました。
 結果的に沢尻逮捕関連の記事は、11月の3億PVのうち1億PVくらいを稼いだというほど反響が大きかったのです」(新谷編集局長)

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最終更新:3/21(土) 17:00

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