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東京五輪、日本に残されたたった1つの選択肢とは

3/21(土) 6:01配信

JBpress

 (後藤 健生:サッカージャーナリスト)

 開催まであと4カ月を切った東京オリンピック・パラリンピック。ギリシャで採火された聖火も日本に到着。3月26日には福島からトーチリレーも始まる。

 一方で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はヨーロッパ諸国に広がり、WHO(世界保健機構)もついに「パンデミック」を宣言。このような状況下で2020東京大会を予定通り開催することは本当に可能なのだろうか? 

■ 2カ月前の決定では遅すぎる

 日本政府や日本の組織委員会は「予定通り開催」の姿勢を崩さず、またIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長は明言を避け、言葉を濁し続けている。3月16日のG7主脳によるテレビ会議では「完全な形での開催」を決めたようだが、開催時期については何も語られなかった。

 政府や組織委員会は正式に延期または中止を決定する直前までは開催準備を進めなければならない立場なのだから、「予定通り開催」と言うのは当然のことだろう。

 これまでのところ、明確に「延期」論を展開したのはアメリカのドナルド・トランプ大統領くらいだが、まあ、この人の場合はいつものように単なる思いつきによる放言でしかない・・・。

 しかし、これだけの大規模な大会なのだ。延期するにしても、中止するにしても、影響はきわめて大きい。一般的には「決定の目途は5月いっぱい」と言われ、バッハ会長は「4カ月前ではまだ決定できない」と言うが、直前になってからの決定では遅すぎるのではないか・・・。

■ IOCはなぜ夏場に開催したいのか

 選択肢は4つある。

 第1に予定通りの「7月開催」。第2の選択肢が「中止」。そして、「短期間の延期(つまり、秋季開催)」と「長期間の延期(つまり、2021年夏の開催)」だ。

 第3と第4の選択肢は、同じ「延期」でも秋開催と来夏開催とではまったく意味が違ってくる。アスリートの立場に立つなら、短期の延期(つまり今秋開催)がベストである。

 日本ではプロ野球の開幕が延期となり、JリーグもBリーグも中断されている。大相撲は無観客で開催されているが、選抜高校野球は中止が決まった。同様に、現在、アメリカのメジャーリーグ(MLB)もバスケットボール(NBA)も中止となり、ヨーロッパでは主要国のプロサッカーリーグが中断中で、さらにサッカーの欧州選手権も延期が決まったようだ。

 スーパーラグビーに参戦している日本のサンウルブズはホームゲームの会場を中立地であるオーストラリア各地のスタジアムに変更しながら転戦を続けてきた。スーパーラグビーは感染がまだ深刻ではない南半球中心なので開催できていたのだが、それもついに中断が決定した。

 そうした状況を考えれば、オリンピックに出場する各国の代表選手たちは今後しばらくは試合に出場したり、十分なトレーニングを積んだりできない状態が続くはずだ。万全のコンディションを取り戻すには、活動再開からかなりの時間が必要になる。

 また、もし1年間の長期の延期(つまり、来夏開催)となると、多くの競技で代表選手選考からやり直す必要がある。たとえば日本のマラソン代表。マラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)とその後の選考レースを経てようやく決まった男女3人ずつのマラソン代表だが、オリンピックが1年延期となったら再レースが必要になるだろう。そんなことは、苦労して出場権を獲得した選手たちにとっては受け入れ難いことだろうし、4年に一度の大会に向けて調整してきた選手たちにとって、さらに1年後に再びコンディションのピークを作るのかなり難しい。

 やはり、アスリート目線に立てば、数か月程度の延期、つまり2020年秋開催というのがベストなのではないか。

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最終更新:3/21(土) 6:01
JBpress

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