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アフターコロナ に向けて、「長期不況」へ備える 広告業界

3/24(火) 8:51配信

DIGIDAY[日本版]

広告主らは、コロナウイルスの急速な感染拡大による最初のショックを乗り越えつつある。だがその後には、不況というさらなる困難が待ち受けているようだ。

3月第1週にはそれまでの倍に近い、おびただしい数の広告主のイベントやローンチが延期され、移動も制限された。広告主のあいだでは当初、コロナウイルスの経済への大きな影響は短期的との見方が多かったが、いまや各社は今後何カ月も続くであろう影響に備えている。3月第1週、世界中の株式市場で不況の予兆が見られた。投資家はコロナウイルスによる経済成長への悪影響を悲観し、ダウやS&P、ナスダック、FTSE 100の上場企業の株価は連日、急激な下落に見舞われた。大半の広告主役員が、コロナウイルスのパンデミックによって通常業務への復帰の見通しが立たない状況にあると語っている。

ある役員は、メディアの請求額が合計20億ドル(約2200億円)相当の新規ピッチ3件が、コロナウイルスの状況が安定するまで延期されたと明かす。この結果、エージェンシーに入るメディア資金もかつてないほど不透明な状況にあるという。

パンデミックによる最終的な経済的影響を予測するのは時期尚早だが、欧州IABのダニエル・クナップ氏は2008年の不況に匹敵しうると警告している。当時の不況は財政システムが原因だったが、コロナウイルスは多数の業界で消費者需要の落ち込みを引き起こしており、世界中で経済活動が冷え込んでいる。

あるデジタルエージェンシーのCEOは、匿名を条件に次のように語った。「クライアントのなかには、販売できる在庫がないため4月に請求ができないかをエージェンシーに尋ねているところもある。こういった動きが広がれば、当社の事業にもドミノ効果による影響は避けられないだろう」。

広告・メディア業界にも暗い影

コロナウイルスのパンデミックによる経済への悪影響は、広告およびメディア業界にも暗い影を落としつつある。

IDコムズ(ID Comms)のCEO、デイビッド・インドゥ氏は「市場は過去にない状況に直面している。多数の広告主が主要事業や商業的な条件を守るため、集中すべき分野を慎重に選択している」と語る。「状況がはっきりするまで営業計画の多くが凍結中だ。下半期から来年の頭には大量に見直しが行われる可能性がある」。

アディダス(Adidas)やアンハイザー・ブッシュ・インベブ(AB InBev)など一部の広告主は、コロナウイルスによる販売能力の低下を受けて、すでに中国など一部市場で広告資金の引き上げを行っている。一方、本記事の執筆にあたってインタビューを行ったエージェンシー役員らによれば、ストリーミングサービス企業などは、自宅に滞在せざるを得ない人たちから収益を上げるため、広告の購入数を慎重に増やしているという。

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最終更新:3/27(金) 6:11
DIGIDAY[日本版]

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