ここから本文です

「完全に凍りついている」:コロナショックで厳しくなる、 D2C 企業の資金調達

3/24(火) 12:01配信

DIGIDAY[日本版]

D2C(消費者ダイレクト販売)企業たちは2020年に入り、ベンチャーキャピタルからの資金調達に、すでに苦しんでいた状態だった。テック企業のような価値をD2C企業が見出されていた時代は、もう終わったように思われる。高い価値を付けられていたキャスパー(Casper)は、そのプライベートでの価値の半分以下で株式公開となった。アウトドア・ボイシス(Outdoor Voices)は、続く資金調達ラウンドにおいて価値を半分以下に減らしている。

これらすべてが、新型コロナウイルスの感染拡大より前の話だ。

消費者向きのスタートアップが資金調達をする能力に対して、コロナウイルスがどれほど大きな影響を与えるか、投資家たちのあいだでは意見が分かれている。今後数カ月に投資を行う投資家たちの意識は減るだろうという意見もあるが、判断するには時期尚早だという投資家がほとんどだ。しかし、トラベルのような一部のカテゴリーは、ほかよりも比較的大きく悪影響を受けるかもしれない。とはいえ、ほぼすべてが2020年の成長予測を再検討するように企業たちへ促している。また、最悪のシナリオに備えてコストを絞ることについて考えはじめるべきだ、と。

スローダウンを引き起こしているのが感染拡大自体なのか、それともそれを見ている観衆によるものなのかを見極めるのは難しいが、ある種、すでに起きている流れを加速させている。

「D2C企業への弱気な視線」

コロナウイルスが勃発する前に、業界関係者たちは米DIGIDAYの兄弟サイト、モダンリテール(Modern Retail)の取材に対して、2020年には「VC(ベンチャーキャピタル)の冷え込み」が起きるだろうと語っていた。ワービーパーカー(Warby Parker)やキャスパーのようなD2Cスタートアップの第一世代のなかには、リテーラーではなくテック企業に与えられるようなレベルの収益の何倍にもなる企業価値を受けていた。そして、投資家たちに有意義な利益を与えるのに十分な価値を実現することに苦しんでいる。

コロナウイルスによって引き起こされる景気悪化は、これらのD2Cスタートアップにとって、企業価値を高めるのに必要な資金を獲得するのをさらに困難にする可能性がある。すでに資金調達で何千万ドルも調達した企業は特にだ。

「コンシューマー系やD2Cチャンネルのスタートアップに対して、(ほかの投資家たちからの)冷ややかで弱気な視線を昨秋から感じている。いまでは完璧に凍りついているようだ」と、VCファンドとアクセレレーター・エージェンシーのハイブリッドであるブリッシュ(Bullish)のマネージングパートナー、マイク・ドゥーダ氏は語る。ブリッシュはハリーズ(Harry's)やペロトン(Peloton)に投資している。彼の体験から、ここ数年においては、ブリッシュがパートナーを組んでいる企業のなかには、コンシューマー系のスタートアップに完全にフォーカスしないところでは、SaaSやB2Bへの投資を好んでいるようだ。

消費者の新しい購買習慣にどうやって適応するか、見極めることができればスタートアップのなかには、そこから利益を得るところも出てくるかもしれない。たとえば、JD.comは2003年にSARSが発生したときに、当時の家電小売業者がオンライン販売を拡大するきっかけとなって誕生した。

1/3ページ

最終更新:3/27(金) 6:11
DIGIDAY[日本版]

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事