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新型ウイルス対策としての「社会距離戦略」を読み解くと、大規模なイヴェントを中止すべき理由が見えてくる

3/24(火) 8:11配信

WIRED.jp

ワシントンD.C.では、3月14日に予定されていたユダヤ教徒の成人式「バル・ミツワー」が中止になった。わたしのいとこが通う礼拝所では100人ほどが参加予定だったが、新型コロナウイルスの拡散を防ぐため、ほかの多くの礼拝所と同様に活動を停止することになったのだ。いとこにとって長年の学びの総決算であり、友人や家族との祝福の機会が延期されることになってしまった。

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新型コロナウイルス感染症「COVID-19」のアウトブレイク(集団感染)により、多くの米国民が同じような状況に置かれている。学校や宗教施設、スポーツやコンサートの会場は閉鎖された。自宅で仕事が可能な人々には在宅勤務(リモートワーク、テレワーク)が強く推奨されている。一部報道によると、60歳以上は航空機での移動を避けるよう勧告すべきだという米疾病管理予防センター(CDC)の提案を、ホワイトハウスは却下したことがあったという。

CDCは3月に入ってから、今後8週間にわたって50人以上が集まるイヴェントを中止または延期するよう主催者側に勧告した(この勧告の対象には学校や企業は含まれない)。全米の各州や都市では、500人、250人、場合によっては70人以上の集会が禁止となっている。

こうしたなか、高い感染力のある疾病の拡散を抑える手段のひとつである「社会距離戦略」が注目されている。人と人との接触を減らすことで感染拡大を防ぐ社会距離戦略は、「司法妨害」「セキュリティシアター」[編註:安全であるという感覚を視覚的にもたらすことを主眼としたセキュリティ対策]といった言葉と同様に、専門用語でありながら米国民の間に俗語として定着した。

しかし、人々には生活がある。結婚式に参加し、子どもの誕生日会を開き、通勤し、イライラしながら食料品店の列に並ばなければならない。いまや何が安全で、何が安全でないのだろうか?

いまの段階で何をすべきか?

新型コロナウイルスについての研究者たちの研究状況から考えると、その答えは明確なものではない。専門家の間でさえ、その対応は一致していないのだ。

「これは白か黒かという話ではありません」と、エモリー大学ロリンス公衆衛生大学院の感染症疫学者であるベン・ロップマンは言う。「わたしたちはいま、社会距離戦略を強化してこの感染症の拡散を遅らせようとしています。しかし、それは人間同士の接触をゼロにするという意味ではありません。他人との接触を減らすために、わたしたち全員が節度ある行動をとり、各人がすべきことをする、ということなのです」

食料品店に買い物に出かけるのはいいが、3回に分けずに1回で済ませるべきだとロップマンは語る。ほかの専門家たちは、可能であれば他人から6フィート(約180cm)ほど距離を置くことを勧めている。自分の前に並んでいる人がせきをしていたら、別の列に並んだほうがいいだろう。

いまの段階で何をすべきかは、ある程度までは「あなた自身」によって変わってくる。

あなたは60歳以上、あるいは心臓病や糖尿病、肺疾患などの慢性疾患があるなど、高いリスクをもっているだろうか。あるいは、そういった人々と接触する機会が多いだろうか。発熱やせき、息切れといったCOVID-19の症状が出ていないだろうか。そういった症状が出ている人との接触はあっただろうか──。

これらに当てはまる人は、どこに行き、誰と接触するのかについて、より慎重になったほうがいいだろう。だが、「これらに当てはまらないという確信があるなら、(自分と同じく確信がある人たちと)集まってボードゲームで遊んだりしても構いません」と、コロラド大学デンバー校准教授で生物統計学者のケイティ・コルボーンは言う。

「わたしたちは、誰でも生活のなかで他人と接触しなければなりません。わたしたちが目標とすべきは、その接触を制限し、当然ながら接触を増やさないことです」と、ハーヴァード大学公衆衛生学部の疫学准教授であるウィリアム・ヘネイジは語る。「自分のコミュニティから感染報告が出ていない人にとっては、ばかげたことのように思えるかもしれません。でも、こうした考え方には慣れておくことが最善なのです」

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最終更新:3/24(火) 8:11
WIRED.jp

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