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「もっと強気で行け」佐川氏に渡された“総理のメモ”〈2017年の国会でのことだった〉/グループMOF研――文藝春秋特選記事【全文公開】

3/24(火) 6:00配信 有料

文春オンライン

佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問 (c)文藝春秋

 2017年早春の国会。学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省理財局長の佐川宣寿(のぶひさ)(当時)は野党の質問攻めに忙殺されていた。委員会室で十数メートル先に座る首相の安倍晋三の秘書官の一人が佐川に歩み寄り、1枚のメモを手渡した。

「もっと強気で行け。PMより」

「PM」は「プライムミニスター(首相)」、即ち安倍を指す官僚たちの略語だ。安倍の妻、昭恵の土地売却への関与を疑い、猛攻に出る野党。安倍は2月17日の衆院予算委員会で「私や妻が関係していたとなれば、間違いなく首相も国会議員もやめる」と感情も露わに退路を断っていた。

 防戦の矢面に立ったのは、国有財産を所管する財務省理財局長の佐川と、土地の元々の管理者だった国土交通省航空局長の佐藤善信の2人だ。地中ゴミの撤去費用を約8億2000万円と算定したのは国交省大阪航空局。財務省近畿財務局は不動産鑑定評価の更地価格9億5000万円からこれを差し引き、1億3400万円で売却した。この経緯を巡って佐藤はしどろもどろな答弁を繰り返し、安倍や官房長官の菅義偉の不興を買って同年夏には退官の憂き目に遭う。

 火消しを一手に担ったのが佐川だ。

「近畿財務局と森友学園の交渉記録はございません」(2月24日)

「価格設定して向こうと交渉することはございません」(同27日)

 野党の攻め口を遮断するこんな強気の答弁を連発し、売却の適法性を主張して追及に一歩も引かない。時に語気を強め、闘志むき出しの佐川答弁への首相官邸の評価はうなぎ上りとなる。「PMメモ」の含意は佐川個人への激励にとどまらなかった。第二次安倍内閣の発足から冷え切った関係が続く安倍官邸と財務省。森友問題でこの両者が疑惑の火の粉を払う共通の利害で結ばれ、政治的に初めて「同じ舟に乗った」。それを「PMメモ」は象徴していたのだ。 本文:9,868文字 写真:3枚 安倍晋三首相 (c)文藝春秋 麻生太郎財務大臣 (c)文藝春秋

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グループMOF研/文藝春秋 2018年5月号

最終更新:3/24(火) 6:00
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