ここから本文です

「YAMAHA SR400」~愛しのSR~【R/C インプレッション archives】

3/25(水) 19:09配信

FUNQ

一時生産を中止していたヤマハSRが待望の復活。規制に対応しつつもSRらしさは健在だ。空冷単気筒、SOHC2バルブ、400ccエンジンは、キックするととても簡単に目覚め、穏やかにアイドリングを始める。しばらくその鼓動に耳を傾け、タペット音などをチェックし、メッキパーツの各部を磨いていく。これがSRに乗る時の僕の習慣になっている。シリンダーを触り、少し暖かくなったところでスタート。細い前後18インチタイヤはまったく難しさを感じさせず、いかにもバイクといった安心感を教えてくれる。
(※本記事は『ライダースクラブ 2019年2月号』掲載記事を再編集したものです)

SRには現代のバイクが失ってしまったディテールがたくさんある

本誌ライダースクラブが創刊した1978年にヤマハSRは誕生した。当時は400と500があり、その後、さまざまなモデルチェンジを受けながら、18年に40周年を迎えた。レプリカブームやビッグバイクブームなどを乗り越え、SRはSRらしくその時代時代を生き続けている。基本的なスペックや車体構成をまったく変えずに、だ。

気が付けば2ストロークのバイクがなくなり、GSX1100SカタナやGPZ900Rニンジャなど、その間には数えきれないほどの名車が生まれ、消えていった。生き続けるのはとても困難なことなのだ。

僕は18歳の時に初めてSRを購入した。その後SRを何台も購入し、最近はインジェクションになった10年式を新車で購入し、現在も乗り続けている。これまでにSRのムックを10冊以上製作し、エンジンも外装もさまざまなカスタムを施したし、ショップが製作したいろいろな仕様のSRにも試乗。最近自分のSRは、ノーマルルックのファインチューンに戻ってきた。

<ビッグバイクは常にバイク主導だが、SRは僕にとてもシンクロする>
バイクに乗り始めて26年が経過。ライダースクラブ編集部で仕事をするようになり、僕のバイク感は大きく変わっていった。SRに始まり、その後ビッグバイクに乗り、レースにも出て、外車も経験し、スーパースポーツを乗り回している。それでも、いまもSRが大好きだ。

400cc/24ps、スペックはどこも特別ではない。そのエンジンはキックで簡単に目覚める。左手の人差し指でデコンプを引き、ピストンの圧縮上死点を出してキックを踏み下ろす。難しそうに聞こえるかもしれないが、インジェクションになってからはキック始動がとても簡単になった。昔は温まっているとエンジンが始動できなかったり、何回もキックしてプラグがカブったりしたけれど、いまは皆無。かなり適当にキックしてもエンジンは簡単に目覚め、暖機せずに走り出してもエンストしないし、ギクシャクもしない。

確かに現代の基準で見るとスペックは低い。でも走り出すとまったく不満はないから不思議だ。市街地のダッシュはそこそこ痛快だし、そうかと思えば1500~2000rpmというアイドリングの少し上の回転でもノッキングせずに走る。

高速道路は5速/3500rpm前後、約80~90km/hで巡航する。それ以上回転を高めると振動が大きくなり気持ちよくない。走っているとバイクの息吹が伝わってくる。景色や周りの交通の流れを見ながら、日常のいろいろなことが頭を巡る。自然と余裕が生まれ、それはとてもリラックスした時間になる。SRのエンジンは、決してロングストロークではないのだが、その鼓動感はなぜかとても心地よい。ビッグバイクは常にバイク主導だが、SRは僕にとてもシンクロする。

だから、SRに乗っていて物足りないと思ったことは一度もない。SRでワインディングに繰り出すとよく走るなぁといつも感心する。

1/3ページ

最終更新:3/25(水) 19:09
FUNQ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事